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2006年6月15日 (木)

ほたる

ほたるが出る時期になってきた。雨の日は勿論だめで、曇りで風が弱くちょっとむっとする日が良い、と何処かで聞いた覚えがあり、ちょうど今夜がそんな感じ、とばかり暗くなって出かけることにした。私も、という声がして、連れだって行くことにした。烏山は勿論遠く、羽黒山のふもともちょっとばかり遠い、あまり家を空けてもおれない、手近に市内美術館裏に行くことにした。いつものように環状線から曲がり込んだのだが、今日は信号を見事にくぐりぬけて、あっというまに着いてしまった。こんなこともあるんだ。手前の道路脇の暗がりに一台停まっている。構わず駐車場所まで行く、真っ暗で誰も来ていない。クルマのドアを開けると、風が涼しい。むっとした感じはない、少しばかり時期が早いようだ。あたりを一瞥するが、ほたるがいない。ともかく小川に沿って下り始めると、後方から、ほたるいますか、の声有り、くだんのクルマの人らしい、居ないみたいですよ、と答えると、そのまま帰ってしまった。そうだよな、でもこちらは探すだけはやろうとばかり、ゆっくりまた道を下る。白っぽいものが川の中にぼんやり見えるが、花だ。終点まで行って折り返す、ほたるは出ない。人もこない。しかしなんとも気持ちがいい。元のところまで戻ってしばらく待ってみることにする。毎年減っていくというから、見物に来た子供にほたるを取ってやったりして、いなくなったのでは、と思ったりもする。待っている、しかし出ない。1匹くらい出そうではあるのだが出ない。やはりまだだめらしい。1週間位したらまた来てみるか、とばかり、あきらめてクルマを出す。帰る頃になって漸く四駆が一台現れた。出ない時には人も集まらない。

一週間経っても出ないかもしれない、ここはもうダメになったのかな、そんなことを話しながら夜の環状線を走る。夏至が近い。

ほたるを見に行ってほたるに会えない、そんな晩でも惜しく思えない気がする、今宵だ。

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