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2006年9月30日 (土)

スポーティなゲーム

Ys112  YS11が退役するというのでテレビで幾つかの特集を見た。35年前にどうしてあっさり旅客機事業から手を引いてしまったのかを嘆く声が高い。確かに日本では自力で旅客機製造販売を事業として成功させることなく世界の下請けに甘んじる日々を送ってきた。しかしものは考えようで、以前日米貿易摩擦が熱くなった時代に、米国では 何故日本が旅客機の事業に本腰を入れて取り組んでこないのだろうか、これは航空機産業よりもっと効率の良い(例えば自動車産業のような)分野に国の最高の知力を集中させようとしていると言うことではないのか、米国は宇宙航空産業に力を注ぎすぎなのではないか、という見方が真面目に議論された、ということを聞いたことがある。日本は見えざる手に導かれてその様な判断をしてきたのかもしれない。
最近イランが独自に戦闘機を開発した、と宣伝しているのにお目にかかった。F18クラスの戦闘機とイランの国防相はいっているが映像を見ると米国Iranfighter1のF5戦闘機の改造版としかみれない。しかしイランの空軍は極めて興味深い歴史を持っていて、パーレビー時代に米国から各種新鋭戦闘機を買い付け、当時最高峰であったF14も70数機購入した。空軍装備はホメイニ時代以降にも引き継がれて、F14はイランイラク戦争でフェニックスミサイルを撃ち尽くしたものの、部品をブラックマーケットから調達しながら20機程度が現在も現役で使われているといわれる。かなりの技術力がないとこのような維持は出来ないし、改造品とはいえ戦闘機を開発することは出来ない。程度の差はあるが韓国のT-50や日本のF2だってF16の改造機といえるし台湾の経国戦闘機だってF16の技術が色濃い。イランも相当に無駄に優秀な人材を使ってしまっているように見える。こんなことしているかぎり世界は安泰な様にも思える。

日本も老人の国になってきたのだからここらで趣味の旅客機事業に入れる位に円熟してきた様にも思える。スポーティなゲームのプレーヤーになるには まだちと青臭いようにもみえるが、老獪な欧州と何とかせめぎあえるようにはになってきた感じがする。足腰がふらついてきた欧州は今が攻め時かもしれない。

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