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2006年12月16日 (土)

生活のディテールが

31567125 ひこうぐも という本を読んでいる。戦中・戦後を戦闘機乗りとして生き抜いた小林というパイロットの人生を妻が詳細にドキュメンタリとして描いたものだが、これが面白い。お見合いから始まる二人の生活のディテールが夫の日記を交えて書き込まれていて、当時の生活はこんなだったのか、と色々と感じさせる。こんな本には初めて出会った。

戦時中の撃墜王が戦後自衛隊のジェットパイロットとなり最後はT33で事故死する、その死後12年を経て書き上げられていて、二人の生きてきた時間そのものを細かに思い起こし文に刻み込んでいる夫人の姿も読みながら浮かんでくる。

小林パイロットは飛燕でB29を本土で迎撃する244戦隊長として奮戦するのだが、ひとたびならず、B29に体当たりしてパラシュートで生還する話が本人の日記として出てくる、結構B29を墜としている。対戦闘機戦でもヘッドオンでぶつかる積もりで正面から向かっていき相手がたまらずかわすところを撃つ話しもでてくる。これで生き延びられるのだから素直にすごいと思う。
終戦の2ヶ月前でも、休暇を交代でとったりもして人間的な生活を送っている、そうだよな。

戦時中の隼戦闘隊のパイロットや疾風で飛んだパイロットから話を聞いたことがあるが座興でリアルな話にはなっていなかった。

でも、なんといっても、2人の生きてきた或いは過ごしてきた時間そのものがまるで映画のように浮かび上がることに、ある種の感動を覚えてしまう。自分には書けるだろうか,書いてもらえるだろうか。

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