アルゼンタビス・マグニフィセンス
山階研究所の鳥の雑学の本によれば、現存の一番大きな飛べる鳥はアフリカのノガン(約18kg)ということだが、少し調べて見ると、いまは絶滅したアルゼンチンのアルゼンタビス・マグニフィセンス(Argentavis magnificens)が巨大で,スパンが6-8m、重さは100kg弱あり、飛行できた最大の鳥ではないかといわれる。
骨が出ているだけなんでどうも重さの値は怪しげだがとにかく巨大な鳥がいたら しい。翼面荷重は恐らく上限に近いあたりで飛び降りるようにして飛び出したのではないかと思われる。
大きいので強そうだが大きい体を維持するのも大変そうで、あまり環境の変化に柔軟に対応できるようには思えない、滅びていくのも当然にみえる。1600万年前あたりで絶滅したようだ。恐竜絶滅よりはずっと後に生存していて、明らかに鳥類と思える。でも、恐竜もそうだが、何で昔の生き物は大きいんだろう、地球が温暖で生きるのが楽で、大きな生き物も支えることができたということのように思える。人類の悪行で再び地球が温暖化したらまた巨大な生物が復活するかもしれない、人類には危機だが地球からみれば面白い。人類保護のための自然保護・生態系保護はどこかつまらない。
この間渡良瀬遊水池の現状と未来というシンポジウムがあって出かけてみたら、これがなかなか面白かった。湿地の再生には人工的攪乱が有効との話や、昆虫や植物、鳥の話があって、面白いが、あまりの量にいささかうんざりしてきたところで質疑に入ったら目が覚めた。国土交通省が治水目的でヨシ原を掘り繰り返そうとしているようで、それをサポートするような立場の話はおかしいんではないか、という鋭い指摘が飛び出して、ちょっと騒然。もしやこのシンポジウムは政治臭いぞ、という気がしてきた、と、にわかに人間くさい次元で面白くなってきた、入るとき所属団体を書かされたのはこのためだったのか、確かに聴講者はうるさそうな人が厳しい目つきをしている。防戦一方の司会役になってしまった講演者がやっとの思いで収めて終了したが、自然保護にはどこかイデオロギー的なところがつきまとっていて、こんな展開もまた興味深い。
こんな議論を延々とする人類そのものが実は最も貴重な自然に思えてくる、人類保護なんて言葉が出てこないそのことが、人類の面白さ・脳天気さを表しているような気もしてくる。
ともかくも、この厳しい真空の宇宙の中で生き延びていくのは容易なことではない、殆ど奇跡のようなこととしか思えない。何をみても感動してしまう。
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