インド洋ダイポール
JSバッハの平均律クラヴィーア曲集・前奏曲とフーガが絶え間なく流れてくる。ギターでも聞いたこともある様な気がする。直方体の重なりのように、角をしっかりと持ってそれでいてやさしい響きがある。ずっと浸っていたい感覚に陥る
IODという現象があることを最近知った。インド洋ダイポール(インディアン・オーシャン・ダイポールIndian Ocean Dipole ):のことで、インド洋の西と東の海面温 度に明らかな暖寒が交互に生じ、アフリカ東部とインドの気象に影響を及ぼす、というものだ。インド洋シーソーともいえる。インド洋の西が高く東が低いときは正のIODでアフリカ東部とインド北部は雨が多くなる。現在これが発生しているという。エルニーニョのインド洋版のようでエルニーニョとも関係があるらしい。このことは、たまたまラジオでケニアの現地に住む日本人の電話による話題提供として流されていたのを聞いて知ったのだが、話題提供者は気象の専門家でなくて普通の人で、現地ではIODが日常の話題になっていることを感じさせた。クルマでちょっと出かけた帰り道に何となく聞いていたのを、帰って切れ切れの記憶からインターネットで検索していくと段々解ってきた。本当に便利な世の中になった。
正のIODが起こると日本のすぐ南の海域の温度も上がる様で、ちょうど現在起こっている日本近海の海温上昇とも符合する。エルニー ニョもそうだがこのIODも相当長い期間に渡って周期的に発生している。 米国NOAAの世界の海面温度のデータを見ると北極の海温上昇がこのところ特に目立つ。北極の氷が急速に溶けているという話はあちこちで聞く。そうはいっても全海洋の温度が上がっているわけでなく東太平洋なんかは広い範囲で温度が下がっている。明らかに周期的現象だから今年の暖かい冬も少し長い目でみなければいけないような気がするが、それにしても随分な暖冬だ。
しかし本日現在個人的に気になるのはからからの冬だ、乾きすぎだ。呼吸器が痛めつけられる。
しょせん地球の営みにはかなわない、乾きにはやさしい調べが心地よい。
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