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2007年2月21日 (水)

シャガールからヤマトに思いを巡らせて

Img シャガール展というのが近くの美術館でやっていてたまには絵もと出かけたがこれがなかなかすごい。時代を追って順々に観て行きながら、シャガールはさまよえるユダヤ人だった、と繰り返し感じる。ドイツに残されていた絵はヒトラーに焼かれてさえいた。シュールレアリズムな描き方とは別にやはり絵の職人でもあった、求められればキリスト教の天井絵もえがいた。シャガールといえば個人的体験が凝縮された絵か浮かんでくるがそればかりではなかった。モーゼの出エジプト記を繰り返し描いている、アイデンティティを求め続けたのだろうか。ユダヤの血の濃さを感じてしまう。現実の濃さでなく伝えてきた文化の濃さを。

ヤマトはどうなんだろう、古事記があのようにまとまって口実筆記されて今の世までに伝えられてきているのが気になっていて、時々解説した本を読んでみたくなる。現在の日本人の原型は遺伝子上はバイカル湖付近の民族と関係が深いらしい。ところが、例えば 工藤隆著の“古事記の起源”によれば、古事記に記載されている話は概ね南方起源のもので文化的には南方と密に関わっている様だ。黒潮の流れも関係しているのだろう。海幸彦山幸彦の話はインドネシアによく似た話が存在していて、関係があるとしか思えない。歌垣も中国南部雲南省に今も残っていて、このあたりの文化とのつながりはかなりのものがあるようだ。面白いのは12支の“い”は日本ではイノシシだが他の国では豚をさし、東アジアの日本以外の国では豚を飼う文化が営々と続いてきている。漢字の家のつくりは豚を意味しており、中国では排泄物を食べる豚は家の一部だったとも言われる。日本では縄文ではイノシシを狩猟していて豚は飼っていなかった、弥生時代にはどうやら豚が飼われたらしいが更にそれ以降は豚を飼うことを止めている。僅かに沖縄にだけ豚を飼う習慣が残った。

これらは何を意味するのだろうか。弥生人は大陸北方から鉄を使う文化と共にやってきて縄文人を追いやった、が、文化的には南方から渡来した文化と縄文の文化に圧倒されるところが多々あり折り合いを付けて日本を支配するようになったのではなかろうか。神社に感じるキリリとした空気と豚はどこか合わない、これを一時は折り合いつけてきたかと思うとそう簡単な歴史でもなさそうだ。考えていくと面白くなる。日本語の起源もアルタイ系、南島語系、諸説有るが文化や人種的にも混ざっているようで、混然としていることがヤマトの中に流れている本質のような気がしてくる。ユダヤとは対極にあるようだ。

シャガールからヤマトに思いを巡らせて時空に遊ぶ、ちょっと重いがそれはそれで、広がっていく意識が楽しくもある。

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コメント

天の叢雲の剣は別名を草薙の剣といって、天皇の位を示す「三種神器」の1つです。始めは草薙の剣と言いました。スサノオがヤマタノオロチを退治した時に、オロチの腹から出てきたものです。ヤマタノオロチですから当然、場所は出雲となります。つまり安来のハガネ、といえます。一番あっけなかったのは、木原村下が「これが草薙の剣の砂鉄です」と言われたことでした。日刀保たたらの近辺は、出雲の中でも一番優秀な砂鉄を産する場所なのでした。「良い砂鉄は手のひらで揉むとすぐに赤く変色します」木原村下の言葉でした。その通りですぐに手のひらで赤くなりました。天叢雲剣イコール草薙の剣はこの一振りの剣の優秀性を訴えるのではなく、出雲の製鉄部族を支配下にしたこと、あるいは出雲の砂鉄を占有したことの暗示なのでしょう。草薙の剣については、大化の改新の60年後に編纂された古事記に掲載されます。スサノオは蘇我氏を暗示していますので、蘇我氏の占有していた出雲の鉄の利権を天皇が引き継いだ理由を正当化するために暗示している話なのです。

投稿: 秘密の謎 | 2007年9月30日 (日) 22時49分

 ああ、安来ですか。日立金属の特殊鋼は有名ですからね。最近は5枚刃のカミソリがいろんなメーカーから出ていますが、カミソリの刃の世界シェアーの6割を日立金属さんがつくっているので、五枚刃のうち3枚がヤスキハガネだといった冗談を聞いたことがあります。

投稿: 熱田 | 2007年11月24日 (土) 19時14分

 宇宙戦艦ヤマトというと古代進の声優をやっていた富山敬(本名;邦親)氏を思い出しますね。ガンダムの基礎というかそれ以前の宇宙SFの熱狂が思い出されます。
 このアニメではヤマトの波動エンジンの設計図はイスカンダルのサーシアが乗った宇宙船が火星にようやくたどり着いた宇宙船から届けられました。
 同様な話は、第二次世界大戦中の日本初のジェットエンジンネー20というのがあります。これは戦局が悪化していた昭和19年の頃の話で、メッサーシュミットのエンジン設計図がUボートで北極海廻りで日本にもたらされた話です。海軍技術廠はその力の限りを尽くして無謀にもこのエンジンの開発にのりだします。
 その中で最重要課題が推力軸受用座金の耐久性でした。これをクリアーしたのが安来の鋼であったらしいです。これにより国産ジェットエンジンは成功したのですが戦局を大きく変えることは出来ず、終戦とともに開発計画は中止したらしいです。
 

投稿: 牧野 | 2008年1月 1日 (火) 07時04分

 さすが鉄鋼業界5位でナノテク特殊鋼に強い日立金属さん。日本ブランドの守護神を任ずるだけあって奥深い歴史も持ち合わせているんですね。

投稿: 誠実生美鋼 | 2008年1月28日 (月) 00時39分

日立安来の底力。最期の海綿鉄侍が、今年定年になられる。あの先輩が示した生き様は凄い。ご自愛下さい。

投稿: 田中 | 2015年10月18日 (日) 20時15分

あの人は日本最期の海綿鉄関わられた人。

投稿: 川端 | 2015年11月 7日 (土) 17時38分

まだ安来におられるのですか。会ってみたい人です。

投稿: 群青 | 2016年4月23日 (土) 18時53分

たたらザムライも凄いが、私の中では、海綿鉄侍がもっと強烈です。

投稿: ハガネファン | 2016年7月29日 (金) 08時23分

島根には本物がある。だから、色褪せない魅力ですね。

投稿: 木下 | 2017年10月24日 (火) 23時27分

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