奥日光のアカヤシオ
今年は梅は早かったが奥日光のアカヤシオは少し遅れたように思う。4月以降平均 的には平年よりやや涼しかったのだろうか。男体山の雪も消え方が遅い。前の週末、歩くのが楽なアカヤシオのポイントはないかと考えて、半月峠への道の途中に車を置いて、茶ノ木平へ向かう縦走路を少し歩くことにした。中禅寺湖畔はオオヤマザクラが清楚な花をみせはじめて、いい季節だ。駐車場所から短いのぼりで稜線に上がるとしばらくはアカヤシオの林がところどころを明るくして続いていく。つぼみがまだ大分あるが色が濃くなかなか見ごたえがある。ヒガラが忙しく飛び交ってチュッチュクさえずっている、しばらくするとコガラもヒーハ-ハーとこれに加わる。いかにも春らしい。北関東の春だ。アカヤシオのような花は関西以西の山では見られない、せいぜいがミヤマキリシマくらいでこんな品はない。北に行くほど山の自然が美しい、何故だかよく解らないが、明らかな事実だ。葉の厚い常葉樹林が次第に減ってくるためだろうか。微妙な季節に反応する落葉樹林からその生き方が見るものに伝わってきて共感を覚えるためだろうか。変化が美しい。光と大気との対話が見えるようだ。
アカヤシオの林を過ぎると稜線も針葉樹で覆われなんだか普通の山になってしまう。もう一かたまりアカヤシオがあったような記憶で先へ先へと行くが行けども針葉樹、いい加減で引き返す。道は往復歩いたほうがいい、近頃そう思っている。行きに見えなかったものが帰りに見える。光も違う。
帰りに今市の龍蔵寺の六尺藤を見て帰る。ここは入り口が細くて難しい、また行き過ぎてしまった。花は盛りだった。10年位前は花が殆どなく寂しい風情だったがよみがえっていた。樹齢百年は超えていよう。
時は流れても同じように咲き続けるわけではない、いつくしみと支えがあって花も長らえている。そうだよな、支えだよな、感じてしまう。
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