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2007年5月11日 (金)

崩壊の中から新しい世界が生まれ

ふとしたことで ル・モンド ディプロマティークの日本語版のメール配信を受けることになKawara2_1 り、欧州の見方が気になって時々眺めている。最近、フランスのワーキングプアのレポートが目に留まった。
日本では、アルバイターを常勤者のように使って人件費を切り詰める、という手法が蔓延し これが原因でワーキングプアが社会問題化しているようにみえる、が、これは日本ばかりでなくフランスでも全く同じ構造の現象が現れ大きな問題となってきているという。グローバル化 という文字がここでも頭に浮かぶ、世界がきつく結ばれてきたことを感じる。インドや中国、東欧の賃金と勝負しなくてはならなくなっている。背に腹は換えられずなんとしても価格を切り下げねばならない、弱いところにしわ寄せが行く。今までは社会が許していなかったレベルまで押し付けが進んできている。

平等、ということを再び正面から見据えなければいけない社会になってきたようだ。

さくらんぼの大量盗難や電線のような公共財の盗難をみると人間の労働や暮らしを軽視する考え方がしみわたってきているように思える。小額でもかねになるなら、人が困っても知ったことでは無い、金に困っても社会は助けてくれない、と語っているように思える。社会が、ぎすぎすと音を立て、なんとかなるさ、を許さなくなってきている、少なくともそう思い込ませるようになってきている。政治家がセーフティーネットなどと言い出した時点で、これはおかしなことになる、と気づくべきだったのだろう。
振り返ってみて、いつ、こんなことになることを止めることが出来たのだろうか。解らない。が、ひとつのポイントは冷戦終結と思える。
多くの人の自由を束縛する国家主義的な社会主義が崩壊して一歩前に進んだと思った。そういうことは確かにあった。が、一方で何かの歯止めを失った、正面からの批判者を失った。しかし ねじはもう元には巻き戻せない。このままどこへ漂っていくのだろうか。

2.4億光年の彼方で通常の超新星の100倍もの超新星大爆発が昨年9月に観測されている。爆発で星の材料が宇宙に散らばりそれがまた集まって新しい星が生まれる、それが年老いていきまた爆発する。気の遠くなるような時間のスケールの中で繰り返されながら最終的には物質は消えエネルギーだけの宇宙の姿にに戻っていく。

崩壊の中から新しい世界が生まれまた成熟していき最後には崩壊する、この構造は普遍的なように思えてくる、社会もこのように歪が積もればいつかは崩壊するのだろう。それが悪いとは一概に言えないような気がする。今度はどんな崩壊が待ち受けているのだろうか。

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