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2007年6月29日 (金)

エンドレスな前進

Nosimetonbo 今年は何故か庭にトンボが出現するのが早い気がする。1週間ほど前からノシメトンボが飛び交っている。どこか近くにいい水たまりができているのだろうか。少しばかり地球が暖かくなって長い夏を楽しむようになったのだろうか。所詮ひと夏の命だ。しかしこんなものかもしれない。

最近はじめて家で自動食器洗い機なるものを使い始めた。滅多に家事は手伝わないのだが、家人の家事労働軽減も考えなくてはという事情もでてきて、ネットで見ていたら思いのほか安いので即買ってしまった。ナショナルNP-C1という、簡素なものだ。水栓が気になっていたが分岐付にしてあった水栓にそのままついた、標準化されているようだ、ただメクラブタがつけてあったので取るのに少々手間どったが大したことではない。本体はちょっとばかり大きくて台所には異様な感じもする。すぐには見慣れてしまわない、装置、という感じだ。しかし動かせばそれなりの音はするが綺麗になるし楽になる。確かに便利なものだ。
買ったあとで国民生活センターの商品テストのページなんかを見つけて読んでいると、各メーカでそれほどの性能差はないが場所を結構取るので注意とあった、そうだったのか、と思ってしまうがもう遅い。価格.comからもここの比較試験結果へリンクを張るべきだ。説明によれば普及率は2年前で21%位の様だから、今では25%位だろう、今頃買うのは出遅れている。まあ結婚記念日のちょっとした買い物に適しているようにも思えてくる。

便利なものは使い始めると止められない。こればかりは趣味のカメラや録音何ぞとは訳が違う。脳のもっと原始的なところが文明に染められていく。どこかへ向かって前へ進んでいるようだ。エンドレスな前進のようにもみえる。
時々何十年も後の自分の居なくなった世界がやはりどこかへ向かってじりじり前進していく様を思うことがある。無限の未来へ向かって世界は動き続けていく、ころがし手は次々に受け継いで世代を変えていく、本当はどこへ向かっているのか誰も知らない。そんなことを考えていると、今を生きている様が、例えば飛び交うノシメトンボと大差ないようにも思えてきて、生きていくことが少しばかり気楽になる。

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2007年6月25日 (月)

年金騒動と公定力と

Gakua06 やっと梅雨らしくなってきた。それにしても政治の季節になってしまったようだ。

最近の年金騒動を見ていると公定力という言葉を思い出す。行政庁の行為は少しくらい違法でも取り消されるまではとりあえず有効なものと推定される、というお上に実に都合のよい行政の大原則だ、多くの行政の力はここから生じているように見える。重大で明白な違法性があれば例外的に公定力は認められない。しかし重大ともいえない違法な場合は、法定期間を過ぎると国民の側からは行政の処分の取り消し請求すらできなくなる。これを不可争力と呼ぶ言葉があるくらいで、固まった概念のようだ。もっとも、法律に“公定力”が明記されているわけではなくて、行政事件訴訟法14条,行政不服審査法14条 から間接的に法的根拠を得ているといわれる、そもそも官にとって当たり前の力であったということのようだ。今回の場合も、行政機関は常に正しいことをする、という原則で年金が処理され続けている、それが時効期間を過ぎると当然のように追及の無効を宣言している。こんな公定力だの不可争力だのという高飛車に国民をあしらう言葉はもうおしまいにしなくてはならない時代になったのではないか。時代にあわない。官の仕事を民へまかせるように、という流れなら官も民と同列に立つべきだ。政治は、こんな騒動になった本当の原因を追い詰めるべきなのに いたずらに目先の選挙対策に追われている。
言葉だけ上滑りした信頼感の乏しい危ない感じのする首相はいい加減引っ込まなければ辻褄が合わないような感じがする。

梅雨が終わる頃に選挙になる。参議院選は今ひとつ緊迫感がないが今度ばかりは面白い。結果が楽しみだ。

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2007年6月21日 (木)

梅雨

Hp500 梅雨はどうしてしまったのだろうか、少なくとも関東地方はちっとも梅雨らしくない、蒸し暑いばかりだ。

高層の気象の配置をみると、いやらしいのは千島付近の低圧部だ。カットオフ状態で先週からあまり動かない、これではオホーツク高気圧も張り出しようがないというものだ。それに加えて梅雨の特徴のチベット高気圧が今ひとつ張り出しが弱い。中国華南の海岸あたりまできておわりになっていて、この先に北から降りてきたカットオフローがはまり込んでしまって湿った南風を関西以西に送り続けている。関西以西は典型Hp200的梅雨とは言いにくいがとにかく雨が降っていて梅雨らしい。千島あたりの高層低気圧がいい加減弱まってくれば関東も梅雨らしくなってくるだろうがしばらくは消えそうにない。

一方赤道付近はラニーニャになり西太平洋の水温はやや上が りそうだったがこの2-3日これも弱まっている、どうも今年は焦点ボケだ。台風もまだ2つしかできていない。南の高気圧であるサブハイが強いというより北から吸い上げられて南風が吹いている感じだ。こんな調子ではこの先雨も少なく関東は水が心配だ。節水を呼びかけるべきなのだろが、そこまでの動きにもなっていない。まあ北関東は扇状地特有の湧き水が多くて適当に雷雨もきそうでそれほど深刻なことはなさそうだが南関東はそうはいくまい、高みの見物のようで申し訳ないところが少々あるが。

雨は降らなくとも空中の水分が増えてきて不快指数が高い日が続くようになってきた。不快指数( temperature-humidity index )は米国の気象庁で考案されたらしく、本来、華氏の乾湿計の乾球と湿球の温度を足してこれに0.4をかけて、更にレベルが80で全員不快になるように15を足して上下を調整したもののようだ。70以上から不快と感じ始める領域となる。日本の気象庁はこの方法では風の要素の不快に及ぼす影響が入っていないとして現在は採用していない。感じとしてはおかしくないので、使っても良さそうだが、あまり科学的でないということか。

参考に、℃(t)と湿度(RH)%から近似計算するには
不快指数= 0.81*t + 0.01*RH*( 0.99*t - 14.3 ) + 46.3 が使えるらしい。

今年の梅雨がまじめでないかどうかは別にして確実に夏らしい日は近づいている。夏は北海道へ遊びに行くことにしよう、暑いときは我慢せずに涼しいところへ逃げるのが温暖化時代の生き残れる知恵と、勝手に思い込んで遊びの口実にすることにしている。温暖化もまた楽し。

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2007年6月19日 (火)

欧州ミサイル基地問題が面白くて

国際情勢も眺めていて面白いことがある。
Chikyuu_1 最近では、ポーランドにミサイル、チェコにミサイル用レーダを設置する件を巡る米ロ、各国の動きが興味深い。このミサイル基地の設置は、イランがミサイル開発を行い更に核開発を進めていることに対して欧州を守るため、というのが大義名分だが、ポーランドとチェコはロシアの再強大化に対する安全保障を求めていてミサイル基地設置はその強い一手となることは明白だ。イランのミサイルが欧州を襲うとは考えにくいがロシアの圧力はもうそこまで来ている。ロシアはそのほのかな敵意に敏感に反応してこんなことをするとロシアの核ミサイルの照準を欧州に再び向けるとおどし始めている。欧州問題にもかかわらず、激しく言い争っているのはロシアと米国だ。現在の欧州の経済拡大は旧東欧が安く優秀な人材を豊富に提供していることにあるといわれている。欧州は次第に旧東欧なくしては成り立たなくなってきている。欧州にとって旧東欧は守らなければならない地域に見える。一方、旧東欧の役割のさきには実はロシアがいてロシアはむしろ欧州と結びたがっている。欧州もロシアとの結びつきを強めることが繁栄の持続につながりそうに見える。かなり微妙な関係にある。
突然出てきたプーチンの代案はカスピ海西岸のアゼルバイジャンの基地の使用だ、アゼルバイジャンの基地を利用すればイランミサイル防衛にはもっと直接的だという説明は説得力はあるものの、チェチェンも近い、ロシアにとっては危ない地帯だ、だからこそアメリカを引き込む利がある。米国にとっても中東の北からの押さえには魅力がある。多分米国はこの案に半分乗ることを既に了解して見返りを求めた、ひとつの見返りがアエロフロートによるボーイング787 22機の再発注だったように見える。ロシアは色々したたかになってきている。サルコジはプーチンからの先制をくらった形だ。揺さぶられている。ロシアはまた西進するだろう。米国のミサイル配置案は欧州とロシアを再び対峙させる案のようにみえる。恐らくアゼルバイジャンもあり、旧東欧のミサイルもあり、のあたりに落ち着くのではないか。

1国支配の米国が負けるシナリオはロシアと欧州の連合化が強大になるというあたりが一番ありそうだ。これからも、その1点をめぐる駆け引きと対立が繰り返されそうで、これはかなりの見物だ。

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2007年6月15日 (金)

気持ちのよい暖かな梅雨前の夕暮れ

Yuugur1 とても気持ちのよい暖かな梅雨前の夕暮れ、思い立って奥日光戦場ヶ原に出かけた。勤めが終わった後のことである。家に帰って簡単に準備してすぐ出かけると、1時間もかからず戦場ヶ原にたどり着けた。気になるデジタル機器への充電はシガーライター経由でクルマの道中でやっていく。いろは坂では1台のクルマにも出会わない、こんなことは初めてのことだ。本日はオオジシギのダイブが目当てだ。赤沼茶屋の駐車場にクルマを置いて車道沿いに少し歩くとシュワシュワと特徴のある鳴き声が聞こえてくる。早速録音を始めるが、すいているとはいえクルマが1-2分ごとに通り過ぎる。あまり良い条件ではない。それにしても気持ちのいい夕暮れだ。ズミの花もいい頃合に咲いている。オオジシギのほうは、地上で鳴いていたのがそのうち飛び始める。ダイブの羽音がして見上げるとかなり高くに2羽舞い上がっている。地上で見るおっとりした雰囲気とは違い運動性がいい。羽音を響かせて急降下しては上手に引き起こして上昇していく。道の両側の上空で羽音がするようになってきて数羽が交互に飛んでいるように見える、思ったより数が多い。ディスプレイフライトといわれるがどこの相手に向かってディスプレイしているのだろうか、日暮れごろにならないとやらないのもなんだか理由がありそうだ。昔のユンカース・スツーカ急降下爆撃機はわざと笛のようなもので音をたてて威嚇したという話を思い起こすがこちらは威嚇的な音でもない、しかし、少し暗いほうが音が際立って効果的なような気もする。クルマが通り過ぎる音に少し似ていてあとで聞きなおして解るだろうかと気になるが録れるだけ録る。ビデオも撮りたかったが例によって手が足りない。
1時間くらい楽しい時を過ごして飛行も収まってきたので引き上げる。本日の次の目的地はほたるだ。羽黒山の麓のゴルフ場近くにほたるのポイントがある。今日のような生暖かく風のない夜はほたるにぴったりだ。例によってカーナビに目的地をセットして出発。ただし近頃できた高速の上河内スマートICから出るのでそこまではナビではうまく誘導してくれない。ともかく、ナビの予想より5分くらい早くつく、既に10数台クルマが居る。車道横の小川に沿って結構飛んでいる、50匹くらいだろうか、手持ちぶたさなのでビデオに撮ってみたりする。なかなかいい感じだが人が少々多い。美術館裏のほたるより光が大きいようにも思える、今頃飛ぶのはいずれにしろゲンジボタルだが。2匹で連れ添ったり飛び方も緩急自在で見ていて飽きない。ほたるの目はどうなっているのだろう、暗くてもよく見えるのだろうか、明るすぎると目くらましにならないのだろうか、動物より昆虫のほうが目はうまくできているようにも感じる。

梅雨は明日にも始まろうという、のんびりした暖かい夜、ここを逃すまいと走り回る、これも仕方がない、貴重な時間は過ぎていくのも早い。見ておかねばならないことがまだまだ山のようにあって、こぼれ落ちる時間がおしい。

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2007年6月12日 (火)

バースデー

Omizngdr1 誕生日が近づいて自動車免許の書き換えのお知らせのはがきが来た。忘れるところだった。ともかく書き換えに運転試験場に行って型どおりの講習を受けたところ最後に普通免許でなくて限定つき中型免許と書かれた新しい免許を受け取った。法律が変わったためグレードアップしたことになる。誕生日をハッピーバースデーなどと祝う日はいつのことだったか、と思うが中型免許だって言いようによってはささやかなバースデープレゼントのように見える。

村上春樹が訳した短編を集めた バースデイ・ストーリーズ というのが目にとまって、読んでみた。最近は小説に面白いものが少なくなったように思う、現実のほうが小説より面白くなってきたためか。バースデイ・ストーリーズだが、誕生日にまつわる13の短編の一つ一つに村上春樹の紹介文がついていて、翻訳といっても個性的な構成になっている。いずれも現代のアメリカ小説らしく乾いている、身の回りの流れていく現実とは別の世界になっている。誕生日はだれにでもくるというただその1点だけにつながりを感じてたぐっていくようなところがある。
村上春樹も1篇書いている、20歳の誕生日を迎えた女の子が思わぬ贈り物を受ける話だ、これは乾いたタッチではない。村上春樹は翻訳することであの文体を作っていったと思っていたがこうして読むと、ちょっと違う、湿り気のある日本の風だ。

20歳の誕生日はどんな日だったのか、全く思い出さない。騒然としたなかの空白の日々だったような気もする。どちらかというと乾いた日々だったような気がする。

何かずいぶん遠くまで来てしまった、でも今からでも何でもやれるさ、そう思っている。

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2007年6月10日 (日)

北関東の雷雨

20070607raiu_1  久し振りに北関東らしい雷雨がやってきた。

生暖かい南風がさっと北風に変わって積乱雲の冷気プールからなだれをうって冷たい風が押し寄せる、気圧がふっと上がってくる、一拍おいて真っ黒な雲からばらばらと大粒の雨が落ちかかる。雨の強さが波を打ちながら増してくると、頭の上でごろごろと雷音がとどろく。教科書に載せたいくらいの見事な雷雨だ。寒冷低気圧がこんなに降りてくるのもめずらしい気がする。2階に上がってしばし雷見物を楽しむ。台風と同じでどこかワクワクするところがある。

ほんの500mくらいの先の田んぼに落ちたと思ったらパチッという音に続いて家のすぐ右手にバリバリと落ちてあたりは停電した。かなり近い。東電がすばやく給電を切り換えたのか停電は程なく回復した、どうやら我が家は被害はない。

以前、雷の小枝が飛んできて家中の電気製品がダメージを受けちょっとした損害を蒙ったことがあった、とりわけ給湯ボイラーが壊れて風呂に入れなくなったのが痛かった、それ以来雷が来そうなときにはこまめにボイラーのコンセントを抜いている、もちろん主な家電のコンセントも抜いている、そんな訳で今回も何事もなく雷をやり過ごせた。ここでは雹は降らなかったが結構大きな雹が降った地区もあったらしい。雹でもかって車庫の屋根を穴だらけにされたこともあり、今は丈夫な屋根に変わっている。色々と知恵がついてくると雷も楽しめる。
全国放送で宇都宮110mmの時間雨量と盛んに報じている。このくらいの降りは年に数回はきていた記憶があり、ちょっと騒ぎすぎ、と思う。でもレーダー観測にしろ110mmはすごい。宇都宮アメダスの10分ごとの時間当たり換算雨量でもピークは63mmでこの値も相当なものだ。このくらい降ると気持ちがいい。

庭のさつきが次々と花を開き、しぼませていく。春は急ぎ足で下手へ去りゆき、夏がその角まで近づく。北関東の夏も楽しみが多い。

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2007年6月 5日 (火)

積み立てられている年金はどこへ

Photo297   近くに健康の森という、公営のスポーツジムのある運動施設があって週1回は最低でもトレーニングに行く。機械トレーニングと水泳にしているがゆるいのではないか、といつも思っているものの、例えば水泳の距離を伸ばそうとするともう動かなくなり、足がつり始める、長年やっていると体がそれになじんでしまっていうことを聞かない。森も良くて冬にはコガモなんかもきたりする。ともかく、税金や年金で作るハコ物はどうしようもない無駄も多いが、これはかなり有効な施設だ。スタッフにもやる気がある。

しかし思えば積み立てられている年金はどこへいっているのだろうか、ネットで調べてみても限りがある、はっきりとした状態は公表されていないように見えるが、160兆円の残高の半分は財政投融資に回されているようで残りのその半分も国債にまわっているようだ。金利が上がれば国家財政はきついが年金は増えていくしくみではあるようにも見える。しかし透明性がない。いずれにせよ今まで増加の一途だった残高も2004年をピークに減り始めている。払い出しが増えてきたためか、払い込みが減っているためか。よく解らない、解らないようにしてパニックを逃げようとしているのではないかと勘ぐりたくなる。財政投融資にまわった分は戻ってくるのだろうか。いちいち気になる。こんな大きな金額が収益を求めて市場に出回っているのだから個人の投資家の及ぼす影響も限りがありそうだ。市場は簡単には読めないわけだ。それにオイルダラーもある、オイルダラーは180兆円くらいともいわれているから総額としては似たようなものだ。うんざりするような資金だ。ファンドが巨額の企業買収資金を調達できるのも解る気がする。

巨額の資金周りには胡散臭い話が付きまとう。年金は結局あまり頼りにならないようにも思える、恐らく一番わかりやすい解決は長く働き続けることで、老人による新しい価値の創造の仕方をなんとか考えつくことになるのではなかろうか。もっとも、お騒がせの団塊の世代が消えてしまう2040年くらいを過ぎるとまた平穏な世界に戻りそうではあるが。

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