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2007年6月19日 (火)

欧州ミサイル基地問題が面白くて

国際情勢も眺めていて面白いことがある。
Chikyuu_1 最近では、ポーランドにミサイル、チェコにミサイル用レーダを設置する件を巡る米ロ、各国の動きが興味深い。このミサイル基地の設置は、イランがミサイル開発を行い更に核開発を進めていることに対して欧州を守るため、というのが大義名分だが、ポーランドとチェコはロシアの再強大化に対する安全保障を求めていてミサイル基地設置はその強い一手となることは明白だ。イランのミサイルが欧州を襲うとは考えにくいがロシアの圧力はもうそこまで来ている。ロシアはそのほのかな敵意に敏感に反応してこんなことをするとロシアの核ミサイルの照準を欧州に再び向けるとおどし始めている。欧州問題にもかかわらず、激しく言い争っているのはロシアと米国だ。現在の欧州の経済拡大は旧東欧が安く優秀な人材を豊富に提供していることにあるといわれている。欧州は次第に旧東欧なくしては成り立たなくなってきている。欧州にとって旧東欧は守らなければならない地域に見える。一方、旧東欧の役割のさきには実はロシアがいてロシアはむしろ欧州と結びたがっている。欧州もロシアとの結びつきを強めることが繁栄の持続につながりそうに見える。かなり微妙な関係にある。
突然出てきたプーチンの代案はカスピ海西岸のアゼルバイジャンの基地の使用だ、アゼルバイジャンの基地を利用すればイランミサイル防衛にはもっと直接的だという説明は説得力はあるものの、チェチェンも近い、ロシアにとっては危ない地帯だ、だからこそアメリカを引き込む利がある。米国にとっても中東の北からの押さえには魅力がある。多分米国はこの案に半分乗ることを既に了解して見返りを求めた、ひとつの見返りがアエロフロートによるボーイング787 22機の再発注だったように見える。ロシアは色々したたかになってきている。サルコジはプーチンからの先制をくらった形だ。揺さぶられている。ロシアはまた西進するだろう。米国のミサイル配置案は欧州とロシアを再び対峙させる案のようにみえる。恐らくアゼルバイジャンもあり、旧東欧のミサイルもあり、のあたりに落ち着くのではないか。

1国支配の米国が負けるシナリオはロシアと欧州の連合化が強大になるというあたりが一番ありそうだ。これからも、その1点をめぐる駆け引きと対立が繰り返されそうで、これはかなりの見物だ。

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