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2007年8月27日 (月)

録音と雑音

Ooruri53 野鳥の声を録音しCDに編集してカーステレオで流し続ける、という楽しみ方をしばらくやっているが、いくつか興味深いことに遭遇する。
まずは雑音だ。自分で録音するとどうしても雑音が入る。風の音、マイクを持つ音、マイクの周りを歩き回る音、チャックが開け閉めされる音、飛行機の音、衣服の擦れる音、車の音、しゃべり声、おなかのなる音、MDの起動する音、位がいつも出くわす雑音だ。編集ではこの雑音削除が大きな問題で、いくつかの手順で削ることはできるがだめなものはどうしようもない。しかしかなり大変な作業だ。
結局雑音が取りきれないCDを聞くことになる、出来上がったCDをはじめて聞くときはこれはひどい雑音で落ち着いて鳥の声に聴き入ることができない、捨てたくなる、しかし、2回3回と繰り返し聞いていくうちに雑音は気にならなくなりだんだん鳥の声そのものに浸れるようになる。明らかに頭の中に聞きたいものに集中するフィルターができてきて雑音を聞かなくなっている。考えてみれば そもそもこの世は雑音に満ちている、雑音を篩い分ける能力がないと耐えられない世界となるように思える、やはり人間のしくみはよくできている。

人にあげるCDは1回目から聴き入れるものでなくてはならないが自分用ではそんなことには構わなくて良い。そんな調子で聴いていると、思わぬ感想に出くわす。代行車を呼んで帰るときに代行ドライバーがカーステレオに入っていた鳥のCDを聞きながら、自家製CDですかこれはいいですね、ところでところどころで太鼓の音がするように思うのですが。。。ときて冷や汗が出る、風の音だ、低音を切って残った風の音は成る程太鼓の音の様でもある、しかし聴きなれた自分の耳ではもう聴いていなかった。

自分のフィルターが出来上がっているときに別の人のなにげない指摘を受けてギョッとする、鳥の声でなくともそういえば誰しも思い当たる節がある話かもしれない。ひとりよがりの判断が世の指弾を受ける事件は枚挙に暇が無い。こんなところにも録音の奥深さを感じてしまう、まだまだ録音から学ぶことは多い。

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