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2007年9月17日 (月)

白樺峠のタカ見

タカの渡りが見Takaba1たくて、有名な信州白樺峠へ 9月15日、16日の1泊2日で行ってみた。宇都宮からは300kmくらい、丁度5時間かかる、午前4時に出て午前9時頃現地着となる。右上高地を左へ折れて奈川から乗鞍スーパー林道を上がっていく、“スーパー“がついても林道だから細い。ガイドブックで見た料金所は白樺峠へ移動していて奈川からの往復では払わなくて済むようになっていた。乗鞍高原側からでも料金所手前の駐車場に置けばよくこれも払わずに済む。しかしいずれにせよ来年からは無料化されるという。駐車場は料金所手前(奈川側)に2箇所、向こう側に1箇所で、一応必要十分なスペースはある、ここに停められなくなったら多分たか見の広場は溢れる。駐車場から東側の斜面を20分ほど登って白樺の林を抜けて たか見の広場に出る。東北東に向いた尾根の頭で、遠く松本市が望める。タカは松本市の方向から来て乗鞍高原側あるいは奈川側へ抜けていく、頭上を通過する場合もある、尾根を横切る白樺峠を越えるのではなく尾根に沿った谷を飛んでいく。ここで左右に分かれることにな るのでとりわけ数が多いポKakamイントになっている様だ。
たか見の広場は人工的に切り開かれた場所で雛壇状の白樺の切り株に座って観測できるようになっている。2百人位は収容可能とみられる。標高は1700mだ。とにかく普通のバードウオッチングとは様子が違う、腰を落ち着けた観客席のような場所に1日いることになる、人口密度も高い。いいこともあるが周りがうるさいこともある。ともかくトイレもあるしガイドブックを販売している売店もある、雨で逃げ込む小さな小屋も3つ作ってある、予想外によく整備されている感じがする。写真は15日朝の状況。

タカはこの時期サシバが多くこれにハチクマが混じる。またハリオアマツバメも渡っていく。時々アサギマダラもとんでくる。タカは手前の尾根で上昇気流(サーマル)を掴んで上昇し滑空して渡っていく。この日は緩やかな南風で逆風だったが めげず滑空して渡っていた。
殆どグライダーの飛行の感覚だ。グライダーと同じくサーマルでガグル(この場合はタカ柱)をつくり あがっていく。見ているとサーマルの出やすいポイントは決まっていて勿論タカはそこに群がる。上がり始める状況もグライダーと良く似ている。この日は上空の雲の吸い上げを利用しSasibaa ている場合が多いようにみえる。雲底が尾根頂上くらいの高度でやや低い日だったがそのまま雲中に入って高度を稼いでいた。グライダーと違って羽ばたけるが最小限にしているのがよく解る。谷を右するか左するかは下降風を読んで決めているのかもしれない。ハチクマは単機で渡っていくのが多いがサシバは群れる。
この日は11時頃から12時頃までがピークで、この間は適当にスコープを覗くと視野に何かしら入ってくる、8-10羽がスコープの視野でいっぺんに見えたりする。食事する暇がないくらいだ。サシバ、ハチクマばかりかと思えば、なんとイヌワシ!の声が上がりそちらを向くと真っ黒な大振りの姿が。これはすごいと思っているとぱったり止んでしまった。午後は本当に静かだ。ムッとした感じがしなくなって雲形が良くなくなった。3時まで待ってみたがもう終わりという雰囲気で、引き上げた。宿は新奈川温泉の川仙という旅館で、温泉なのに安かったのでとにかく予約しておいた。部屋はトイレもないが、合掌つくりでちょっと面白い。風呂はとても狭いが、食事はいい、まずまず、というところか。客はタカ見客と釣り客だ。翌16日は雨の恐れがあったがともかく朝は晴れている、お弁当を宿でもらってとにかく上がってみる。斜面を登り始めると、なんとYbirdとおぼしき一行が後ろから上がってきた、先頭の世話役らしい早足の数人に道を譲る。上がると広場では場所取りが繰り広げられていた。こうなると世知辛くなる。前日より更に人口密度が高い。人声も気になる。ちょっと。。。という感じがする。8時半頃にサシバの一群が渡ったくらいでタカは終わり、ハリオアマツバメが飛び交うのをみていると、ブッポウソウ、との声が上がり、外翼に白い班がある青みがかった中型の鳥が飛翔しているのが見える、図鑑と見比べて確かにブッポウソウのようだ。思いのほか動きがいい。
そうこうしているうちにザッと雨が降りかかる、雨具を羽織ってしばらく様子を見るが止む気配が無いので撤退を決意。
帰りは乗鞍高原側に降りてみるがこちらはリゾート化されている。こちらの方が何かと安心のようにも見える。せっかくだから一の瀬園地なぞを傘をさして散策して白樺と草原の乗鞍らしい風景を楽しんだ後宇都宮に戻る。
帰ってからタカのカウントをインターネットで見てみると、15日が399になっている、見た数は百羽+くらいだったから谷間や全体に散らばっていたのかもしれない、しかし、400くらいというのはちと多い感じがする。よく解らない。
とにかくタカの渡りを見るということがどんなものかは解った。白樺峠の混雑は少々興を削がれるものの、渡り始めるとあきない、面白い、一緒に飛びたくなるくらいだ、写真もたくさん撮れば数枚は見られる。しかし少々疲れた。もっと近くでも見れるポイントがあるのではないか。探さねば、そう思い始めている。

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