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2007年9月30日 (日)

美術と工芸と産業

秋が本格的にやってきて季節を分ける前線が張り付いている。おかげで落ち着いた雰囲気の休みを過ごせる。近くの美術館にでかけてみたらノリタケチャイナの歴史をたどる展示をやってNoritk2 いた、なんだ、企業の展示かと思ったが、せっかくだから見てみたらこれが結構面白い。ノリタケは明治の初めに生まれた、日本連合として陶磁器を米国にむけて製造・輸出する会社だった。オールドノリタケと呼ばれる凝った陶磁器もいいのだが、20世紀の初めの頃のアメリカで注文を得るためにセールスマンが持ち運ぶ手書きのカタログがなかなかだ、現代の写真カタログよりはるかにリアルな感じを与える、絵付けそのものを見せられているようで普通の絵ではない。陶磁器のデザインは米国のデザインセンターで行われていたようで当時の嗜好が感じられる。殆ど実用になるとは思えない背の高い壷などを見ると、装飾的に用いられていたように感じられて、古きよきアメリカの生活の有様が浮かんでくる。東海岸の雰囲気だ。しかしこんな展示はめずらしい、美術と工芸と産業の間にいる。

イタリアに遊びに行ったとき目くるめく彫刻に圧倒された、柱といい、扉といい、石が埋め込めるところは彫刻で覆われていた。美術と工芸は殆ど同じものだ、と思わさせた、そして工芸の先に産業がある。そのグラデーションのような連続をここでも目の当たりに見せられる思いだ。

連続体の中に生きる、か、また学ばされた、どこまでつながっていくのだろうか。

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