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2007年12月17日 (月)

やんばるの森

近頃乾燥した冷たい風に弱くなったようで暖かい南の島に行ってみたくなった。沖縄に行くことにした。元はといえば貯めたマイルがこの12月で期限切れになる、丁度この時期“おともでマイル”というのがあって規定に少々達しない消えていくマイルが無料往復航空切符+65%引きの同行者往復航空切符に換えられるというのでなんとかこれを使って、というのが発端だったが、こんな調子のいい切符はさすがに少ない席数しか用意されていない。申し込みの日の開始時刻ほぼ1分以内に申し込んだのに沖縄線はもう4席しか残がなくさらに帰りの便は始発しか残っていない、迷ったが、エイッと申し込んでしまった。申し込むとキャンセル・変更は事実上出来ない。
週末は寒波の到来、の予測を横目でみながら沖縄へ飛ぶ。850hpの等温線の予測図で見る限り沖縄には寒波らしい寒波は届かない、全く違った気象のようだ。空からみると、けぶったような水蒸気に囲まれた島が見えてくる。沖縄はさすがに暖かい、殆どYシャツ1枚で丁度いい。空港からレンタカーで北へ、少しやさしい覆面パトカーに肝を冷やしながら沖縄道を走る。軽自動車がやけに多い、長距離走ることがない島では軽で十分かもしれない。北部の喜如嘉の田んぼでぶらぶら鳥をみてオクマにむかう。喜如嘉ではバンがいたりシギが飛び出したりセンSmknbr ニュウによく似た鳴き声があたりに響いたりして鳥が多いが、見慣れないすずめくらいの鳥が群れて黄色い実をつついている、写真を写して後で調べるとシマキンパラのようだ、台湾から渡ってきている小鳥がいる、と土地の人に聞いたのがこれらしい。沖縄の鳥になってしまいそうだ。夜になっても気温が下がらない、オクマの海岸を夜散歩した、緩やかな波、やわらかい風、心地よい。夜の散歩もYシャツで丁度だ。昼間も暑くは無く12月の沖縄は非常に過ごしやすい季節だった。それにしてもこれは本格的なリゾートだ。
沖縄の鳥といえばヤンバルクイナやノグチゲラが有名だがそうは出会えないだろうと思ってはいるもののとにかくやんばるの森を目指す。地元国頭のKUTAの方に案内をお願いして伊部岳の東側あたりの森を Akahg_2 歩く。歩いているとサシバが直ぐ近くにとまる、思えば白樺峠で見送ったサシバがここに来ているのかもしれない、声をかけたくなる。道をチョンチョンと先を行くアカヒゲに先導されるようにして進むと、リュウキュウメジロやヤマガラやコゲラの混群に出会う、カラ類の混群は栃木とあまり変わらない印象もある、しかしサンショウクイの混じる混群にであったりすると、やはり違う、日本は広い。そのうちカラスバトの声も聞こえてきたりする、三宅島を思い出して、なんとなく今年の締めくくりだと思ってしまう、随分あっちこっちに行った。人なつこいアカヒゲは写真に撮れるがほかは森だけだ。さらに進むとついにヤンバルクイナの声が聞こえてくる、思っていたより綺麗な声だ、かなり近い、森が濃いので姿は見えないが、結構いる。幻の鳥ではない。オキナワウラジロガシの大きなどんぐりが散らばる森の真ん中にくると、やさしい森の感じが伝わってくる、人とのかかわりを続けながら保たれてきた森のように感じる。しばらく待っているとノグチゲラの声が聞こえてくる。キョッ キョッ とアカゲラに少し似た声だが少々図太い。これもかなり近い、が、やはり姿は見えない。ノグチゲラのほうが結構姿が見られるらしい。やんばるの赤い土とスダジイの森はぶなの森のような清新さとは違った親しみがある、やわらかさがある、いい森だ。
録音は録ったと思ったのが結局操作ミスか機械の不調かとにかく肝心なところがほとんど録れていない、そんなもんだ、またこいと言ってくれているようだ。

暖かい風の流れる沖縄から栃木に戻るとまた突き刺さるような乾いた寒さだ、元の世界に引き戻される。またいくか、そう思っている。

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