ブロッケン
沖縄にみじかい旅に行ったのが何かと心に残るものがあって、まだ濃密な記憶があたりに漂っている。
帰り便は朝の第1便だった、クリスマス休暇で本土に戻る米兵と思われる米国人の乗客が目立つ便だった。離陸して那覇の西側を抜けて洋上に出る、薄い雲を抜けると層積雲らしい雲が一面に眼下を覆っている。みると雲の上に虹の輪が見える、中心に機体の影 が映り、いっしょに移動していく。ブロッケン現象、という言葉を思い出す。見たのは初めてだ。朝の便しかとれなかったことへの償いのように見せてくれた気がする。全てのことがらにはそれなりの意味がある、猫のゆりかごのボコノンだ。勿論冗談のせりふだが。
ブロッケンは飛行高度が上がるにつれ大きく薄くなってそのうち消えてしまった。
しかし、目の前に広がる光景すべてが実は投影されたものかもしれない、そんなことをうっすら思っていた。空は次第に青みを深めていった。
時々場所を動いてみるのがいい。
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