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2008年1月30日 (水)

インド雑感

このところアメリカ発の市場の混乱が世界を覆っていて、暫くはこの先も株式市場や金相場が激しく動きそうで、少々うんざりだが、産油国やインドははどこ吹く風と好調が続いているように見える。インドは以前からどうにも全体が見えてこない国のように思えていた。航空宇宙分野では制御というとインド人が登場していた、20年位前だが、国際学会で米国のボーイングやロッキードという名だたる企業から現代制御技術の発表を行う顔ぶれの何割かは米企業内で活躍するインド人で、それも次第に増えていった。米国人(のいわゆる白人)にとって、ややこしい数学を駆使する製品開発技術は国民性にあわず手に負えなくなってこの分野から引いていっている感じがした、同じ数学でも金融工学の方が性に合っているようにも見えた。数学に強いインド、そのくせインドは国内の民間旅客機は数十機という有様で、核を持ちながら極端に貧困のインド、というチグハグな印象だった。しかし近頃急速に経済成長をはじめた、インド債権を組み込んだ投資信託も好調だ、旅客機も大量に発注されてボーイング・エアバスを潤わせている、恐ろしいばかりの勢いがある。
Pcstandard 今年に入ってインドのタタが公開した10万ルピー(29万円)の超低価格車ナノが注目されている。今の軽自動車より長さが30cm短いだけでほぼ軽だが、後ろ置きエンジンでの後輪駆動は昔のスバル360を思い起こさせる、しかしスバル360は当時でも40万円を少し下回っただけ、30万円は2人乗りの(正確には一応2+2)マツダクーペ360、20万円台は10馬力のダイハツミゼット位だった,29万円で乗用車ができれば歴史的にも画期的なことだ。スバル360は今となっては加速も悪くとても車の流れについていけないが、30年位前、塩原のスキー場に向かっていた時、大人4人乗ってスキーを屋根につけたスバル360がチェーンの音を響かせながら他の車に引けをとらず登っていった光景を驚きをもって今も思い出す。確かにクルマは贅沢になりすぎた。ナノがどれほどのものかは市場に出ないと解らないがゴテゴテしてきている今のクルマの見直しに好い視点を与えてくれそうな気がする。インドが今後の世界を少しずつ変えていくように思えている、世界はより風通しのよいものに変わっていくのだろう。
次第に生活の差が無くなって来て同じようなテレビを見、同じようなゲームを楽しむようになると国境というものがむなしくなってくるように思える。世界全体がEUのような連合形になれるのだろうか、人も渡り鳥と同じように国境を意識せずに漂っていくことが出来るようになるのだろうか。わからない、しかし明瞭な意思が共有できればそう難しくはなさそうに思える。  楽観的過ぎるか。

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