宇都宮不連続線
時々おやと思う気象がある。昨日の朝は冬型が張り出して一気に寒くなるはずがなにか生ぬるい。宇都宮不連続線だろうか。昔買った小気候という本に、戦前から知られた関東地方の局地前線として紹介されている。冬型の吹き出した日に西側の山の陰にに入る宇都宮付近に小さな低気圧が発生、北側では北風が吹き込み寒いが南側では風も弱く寒くない、北側と南側の気塊 のぶつかる境界に東西に前線が出来る、というものだ。4時のアメダスからGMTで等圧線や等相当温位線に風分布を重ねた絵を出させてみると、やはり宇都宮不連続線らしい、宇都宮付近は等圧線(黒い線)がくぼんで風が弱く逆に吹いていて北側とは明らかに違う、等相当温位線(青い線)も宇都宮にやや温位の高い状態を示している、不連続線は少し北にあるようだ、小気候との記述とは多少違うが、そんなもんだろう、気象は刻々動いていく。
風はどこからくるのだろうか、昔からの素朴な疑問だったがこうしてみると少しは解る。しかし風の息のような脈を打って短い時間思いっきり吹くのはどこまで広がっているのだろうか、そもそもどういうメカニズムなのだろうか。次々に疑問は広がるがよく解らない。アメダスの途切れ途切れのデータからでも風の息が思いのほか広がりがあることを見つけることがある、新潟から関東平野全体が一気に強くなりまた弱まる、ということがある。風の分子そのものが吹き渡るというより場が振動している様に思える。単なる物理現象なんだが、脈を打つ、息をつく、こんなのを感じると地球全体が生命体に類似な存在ではないかとも思ってしまう。多分そうなんだろう、生息する生物とともに命を共有しているように思えてくる。命には限りがあるのだけれども。
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コメント
スカイスポーツを愛好している者ですが、初めてうつのみや不連続線という名前が付いていることを知りました。前々から不思議だったんです。一月におそらくこの前線と思われるものの下で一時間ほどソアリングしました、風が弱いせいか栃木から小山にかけてでしたが、面白かったです揺れが強すぎて疲れました。
投稿: クラウド | 2008年3月 4日 (火) 01時12分
昔、前線状の上昇風を感じて飛んだときは静穏な感じがしていたと記憶していましたが、宇都宮不連続線と認識してソアリングしたことはありません。季節風が強いときに明瞭に出てくる前線ですから確かに荒れていそうな気がします。また飛びたくなります。
投稿: sora | 2008年3月27日 (木) 21時45分
soraさまがどんな方なのかなかなか想像ができなかったのですが、やはりグライダーをやっていらしたのですね。 前線もその位置によるのでしょうか、同じ雲の連なりなのですが、結城の上空では、穏やかで大きな上昇帯でした。ソアリングしながら眠くなったのは初めての経験です。「場所と時を選ぶ」ということがどれほど大事なことなのか再認識しました。
投稿: クラウド | 2008年4月10日 (木) 16時21分