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2008年3月24日 (月)

バルセロナの地下鉄

バルセロナで忘れられないのは地下鉄だ。モンジュイックの丘に行こうと思いついて、地下鉄3号線をパラレル駅で降りた、ホームの階段を上がりかけたところでそういえば地下鉄の様子も、という気になってビデオを撮り始めたらホームの奥のほうから鋭い女性の声がする、言い争いでもあるのかと撮っていたら、声が近づいてきた、大きなシェパードを連れた強そうな婦人警官がにらんでこちらに制止するような声をあげている、スペイン語だが、ビデオを止めろ、と言っている様だ。有無を言わさず連行されるように駅の隅に連れていかれた時はこれは少々まずいことになったかと思ったがとにかく従うしかない。撮ったビデオを見せろという、スペイン語でしか話してくれないが言っていることはなんとなく解る。ともかく撒き戻して見せ始めると、エリミネート、との声、要するに消せといっているようだ、消せ と言われてもビデオを消すってどうするんだっけ、と思ってしまう、消せないと英語で答えるが、通じないようで、エリミネート、と一歩も引かない。そうこうするうち、そうか上書きすればいいんだ、とやっとのことで思いついて、目の前の壁を撮る、と英語と手まねで言って壁を撮り始めた。上書きしたものをもう一度警官にみせるとようやく許してもらえた。メトロはビデオも写真も撮影禁止だ、という説明だ、そんな話はガイドブックにもツアコンの注意にもなかった、しかしスペインでは4年前に列車爆破テロもあったし、総選挙も近いしピリピリしてもおかしくない、サリン事件という無差別テロ事件のあった東京の地下鉄は世界標準から見れば随分のんきなのではないのか、と思ってしまう。とにかく放免されて、モンジュイックへはパラレル駅でフニクラ(ケーブル)に乗り換えるのだが、どこだろうと地上まで探しに出る、でも地上の案内ではフニクラは地下鉄入り口をさしている、もう一度下りてよくみれば確かに地下鉄の駅の構Monjyuik 内でフニクラにつながっているようだ、同じ切符(1.3ユーロ)のままで乗れたのと解ってがっかりしてしまう。東京ではこんな発想は無い、必ず別料金だ。同じように見える地下鉄でも東京とスペインでは随分な違いだ。やっとのことでたどり着いたモンジュイックの丘はミロ美術館も休館日でオリンピックスタジアムまでの散歩を楽しんだだけだった、なにげない水飲み場や公園で遊ぶ子供らに異国らしい雰囲気を感じて、随分遠くにまで来てしまったな としみじみ思ったことを覚えている。
時々出来るだけ遠くへ出かけてみた方がいい、所詮限られた世界ではあるが。

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