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2008年4月15日 (火)

身近なものに真に難しい問題が

ひと月近く前、結構きつい風邪をひいた。以前から風邪を引くと肺炎のような症状に移りやすいところがあって、菌が体のどこかにすくっていて弱まったときに出てくる感じだ。医者に行くと見慣れぬ抗菌薬を処方してくれた、のどと肺の細菌を退治するジェニナック錠という薬で毎朝2錠飲むだけという、強そうだ。netで調べると去年の夏から市場に出ている新しい薬で副作用もそれほどないらしい、警戒するほどでもなさそうだ。効き目はかなりいい、飲むと直ぐなおってくる感じだ、肺炎が気になる風邪にはありがたい。しかし根治はできない、1週間飲んで概ねよくなったので後は自然治癒に任せるが抜けきらない。考えてみれば風邪そのものに効く薬はいまだにないのだからしょうがない。こういうことが繰り返されて次第に体の細胞が元気を失っていくのだろうか。考えてもしょうがない。でも風邪も治せない医学って考えると少々情けない。
身近なものに真に難しい問題がある、というのは、何によらずそうなのではないかと思う、いまだに貧困を減らすことの出来ない経済学、経済学のノーベル賞を多数輩出している米国の20%は貧困層というからなさけない、バブル崩壊による不況もいつまでたっても防ぐことも出来ない。1929年のウオール街大暴落と1990年の日本株価暴落の軌跡は酷似していることも有名だ。何をやっているのだろう。もっとも経済学でノーベル賞を取った人の中にはオプション取引の基礎となる計算方式を案出して受賞したショールズなんていう人もいるから、経済学はかえって世の中を複雑で不安定なものにしているだけなのかもしれない。身近のことを解決するのでは難しいだけで褒められないということか。
航空機の世界と付き合いだしてもう長くなるが、この世界も、おや、と思うことに満ちている。昔のプロペラ機ならしょうがないけれども、ジェット機で世界を飛び回る時代でも航空機の機体の安全性や運行の規制は国ごとで微妙に違う。旅客機の型式の耐空証明で昨年から米国と欧州(EC)が対立している。米国側は、米国で開発した機体は米国の証明が取れても欧州での運行の背Koukuu景となる証明を取るには欧州航空安全庁(EASA)に別途申請が必要でこれが途方も無く高い、(高くなった)、おかしいじゃないか、といっている、殆どは米国での証明過程が利用できるにもかかわらず、である。普通に考えると、世界中を飛び回るのが仕事の旅客機では基本的によほどおかしな環境の国でないかぎり世界中でひとつのルールで証明すればいいはずと思える、それができないのはまだ相互に信頼できていない、としかいいようがない。おかしなことだ。いつかはISOのような場で統一される日がくるのだろうか。道は遠いように見える。
しかし、技術的なことからゆっくりと統一をはかっていけばそのさきには国境の無い世界が実現するかもしれない、そちらの方に期待したくなる。

ともかくしつこい風邪は一月近くかかってやっと抜けたようだ。難しいことでもゆっくりと進んでいけば結局は時間が解決するのではなかろうか。

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