自然とサイバーネットの世界と
このところ極東ロシアに極端な暖気が入って北海道でも時ならぬ暑さが続いた、切離低気圧が日本上空に居座ったことのコンペンセイトで深いリッジ(高層気圧の尾根)がシベリアまで延びたというべきか、或いはリッジが延びたので低気圧が北極回りの寒気から切り取られたというべきか、どちらにせよ北極を巡る大気の脈動だ、時々こんなことが起こる。北極回りの寒気が例年よりしぼんでいるのかもしれない。少しいつもと様子が違うような気がして、さしあたっては連休の天気が気になるが高層気圧の予測計算を見る限り5月1日以降はしばらく東谷場のような形になり五月晴れが続きそうな気配だ、26-30日も30日が少し怪しい外は悪くない。ことしはなたね梅雨が無かったように思う、いいというのかちょっと変か、というのか、しかし考えようによっては年によって波打つ方が自然な感じだ、まさに自然そのものだ。天候に身を任せる感じがいい。
人間の営みはおおかた自然に支配されているが、そうでないものが時々あって、何か違和感がある、感覚的なものだろうか。サイバーネットの世界がその端的なもののような気がしているが、近頃少し気になるのはサイバー戦争が現実のものとなり始めているらしい、という話だ。熱い戦いと結びついたのは昨年9月のイスラエルによるシリア核施設空爆事件で、施設はロシアの地対空ミサイル(SAM)システムで防護されていた、これが1種のハッキングによりシステムに侵入され無力化されて、なんら機能できずやすやすと攻撃されている。同じSAMシステムはイランにも配備されたばかりの新しいものだ、イスラエルの使ったネットワーク攻撃システムは米国が使い始めているSuterというものとほぼ同じで、この成功がイラン攻撃をめぐる米側の強気の根拠の一つになっているのかもしれない。一方米国国防省や国防企業にもサイバー攻撃が始まっているようにも見える、例えば非常に巧妙に偽装されたスパイソフトを含むメールが中国のサイトから送りつけられている事件が最近のビジネスウイークに紹介されている、勿論発信元もメールの内容も高度に偽装されているしウイルス対策ソフトは全く効果の無い代物らしい。どうやらウイルス対策ソフトがインストールされているから安全というのは能天気なユーザー、という時代に突入しているようにも見える。寒々とした世界だ。
近頃気象の波うちが大きくなってきているような気がするのは、もしかしたら人間が自然と切り離されたサイバーネットのような世界にのめりこみすぎることへの警鐘ではないのか、と思うことがある、まさかという気もするが、地球という惑星は生命体の活動と融合した特異な惑星になっている、自然の動きと切り離された活動が自然のサイクルに乱れをもたらして、長い長い連鎖でつながっていないともいえない。警鐘であってほしいという願望なのかもしれないが。
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