脳内写真
野鳥を見ていて写真に撮る事も出来ない場面に遭遇することが時々ある、こんな時は後でスケッチを起こすしかない、しかし大体が急に現れてあっという間に去って行って、怪しげなスケッチが残るだけだ。以前、野鳥の絵を数多く描いておられる水谷高英さんに日光まで来ていただいて野鳥の描き方を講義していただいたことがあるが、その時のお話は、鳥を見て即座に例えば卵形のような基本形に当てはめれるようにすれば描きやすい(とテクニックの話があった後で)、しかし私はその場面全体をあたかも写真のように頭に焼きつけられるので帰って落ち着いてそれを描いていけば何でもないと思っている、こんなことはみんなが出来ることだと思っていたがどうもそうではないらしいですね、とあって、これは できない、と思ってしまった。画家になれる人とそうでない人は生まれもって違うものがあるのか、とその時はあきらめたように感じてしまって、結局みっともないスケッチを時々描く事態が続いていた。ところが つい最近日経ビジネスオンラインに佐藤信正という方が脳内写真の技術という記事を書いているのを見つけて、これだとばかりに読むと、写真のように脳に焼き付けることはちょっと訓練すればたいていの人が出来るようになる、とある。本当だろうかと思うが、手順はこうだ、覚えたい場面に遭遇したら、まず映像よく見てこれにタイトルをつける、次に こめかみを指で押してシャッターを切るしぐさをしてカシャと声に出す、最後に時計を見て撮影時刻を確認する、これだけのステップで脳内写真が撮れる、という、これは簡単と早速やってみる、確かにその風景が妙に頭に入る。水谷さんの言われたのは本当で実は誰でも程度の差はあれこのような能力は持っているような気がしてくる、何度もやっていけば水谷さんのレベルに近づけそうにも思える。人間の記憶もコンピュータのファイルと同じように名前をつけないと探すことが出来ないのだろう 探せないファイルはないのと同じになる、そういうことか、と勝手に得心してしまう。
ともかく、つぎにフィールドで鳥に出会ったら試してみよう、慣れれば段々シャッターも早く押せるようになるかもしれない。
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