春は東北
思わぬ雨の日が連休の最中に出現して、みれば、また切離低気圧だ、高層のトラフの先っぽが切れて日本の上空やや南にとどまっている、本当に今年は北極回りの寒気の波うちが大きい、やたら寒冷渦を放出する。埋め合わせに北海道に暖気が入る。予測計算が合いにくい。
もはや散っているとは知りながら4月の終わりに秋田・角館の葉桜を見に行った。少しくら いは残っているかと密かに思っていたが桜吹雪もとうに終わって本当に葉桜だった。連休の遠出は暫く前に宿を押さえる都合からこんなことが起こる。やたらツアーバスが多くてあきらめ顔の大群が武家屋敷だの桜堤だのを埋める。地元も葉桜の下で桜祭りの行事を粛々と進めていく、なんだかおかしくなる。前の日には、すぐ東側の岩手・雫石あたりを走り回っていたが、小岩井農場の桜並木や一本桜は丁度満開で雪をつけた岩手山をバックになかなかの風情を見せていた。こうもちがうものかと唖然とする、秋田側のほうが山の芽吹きも全体に早く 西のシベリヤ側から暖気が押し寄せてきた今年の春の不思議さを体感できる。そうはいっても角館でも桜の名所以外での郊外では結構花が残っている、作られた名所の桜は見栄えのいい種類に揃えられ手入れも日当たりも良く大事にされて周りの桜より早く咲き早くそれも一度に散ってしまうように感じられる、何か今様だ。昔からの桜とはいえそれに輪をかけて町おこしによかれと一所懸命にやっていてやりすぎてしまう、桜そのものをいつくしんでいるのだろうか、とさえ思ってしまう。上野のパンダと同じだ、これは。死ぬ間際まで見世物となるパンダの哀れさがかぶってくる、見る側見せる側の視点しか感じられない。
そうはいっても春の東北の花やいだ雰囲気は素晴らしい、花はひらき、終れば霞のような若葉が広がる、雪が消えはじめるなだらかな山も、なんともいえない雰囲気だ。やはり春は東北だ。
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