ヨセミテ、2008、夏
7月の終わりにサンフランシスコに行ったついでにヨセミテ(Yosemite)を少しばかり見てきたが、なん だか予想と違っていた。そもそもはレンタカーで行って公園内に一泊する予定が、1.5ヶ月程前に手配したのでは公園内の宿は既に満杯でゲートから8マイル外のEl-PortalのCedar Lodgeをとりあえず抑えて準備していた。そうこうしているうち間際になって、着いて翌日のレンタカーの遠出は大丈夫かとの声現地よりあり、更に夏のピーク時期はバレー内の車の渋滞がひどいとかCedar Lodgeの評判が良くないとかを色々見てしまって、やる気をそがれて結局日帰りバスツアーに急遽変えてしまった。Google Earthなんかでかなり道は調べてヨセミテまで走っていくことそのものが結構面白そうではあったのだが,まあバスもそれなりだろう。
ともかく出かけた。ヨセミテの印象はどうだったか ; 暑い、とんでもなく暑い、写真を見ると高原のようで涼しそうだが高原ではない、暑くてトレッキングする気がしない、水遊びが最適。鳥も暑くてあまりいない。車の音がうるさくて録音は不向き。観光化されている、かなりのものだ。あるがままの自然を保存というのがヨセミテのうたい文句だが、アメリカ人の自然に対する認識はこんなものかと思ってしまう。熊よけの対策も言われているほど厳格ではない、数日間もクルマに置くのでなければ、短いトレッキングなら適当に化粧品や食物をシールして見えないようにしておけばどうみてもよさそうだ、なんせ人が多い、匂いがどうのというレベルとはとても思えない,ゴミ箱もそこらじゅうにある。
気にしていた道順はI80-580-132-99-140のルートだった。やはり適当な休憩場所は道に沿って直ぐに停められる132の途中と140のMariposaになる。誰が考えても同じことか。時間は休憩込みでサンフランのユニオンスクエアからゲートまで4時間程度で、標準的。レンタカーで行っても全く問題ない道だった。140はMariposaの先でがけ崩れあり、仮橋で対岸の迂回路に誘導される、この部分だけ一方通行で若干滞るが大したことは無い。4年位前のがけ崩れがまだ復旧していない、迂回路は1年ほど前から大型バスが通れるようになって曲がりくねった120を使わずに済む様になったので良くなったとはガイドの弁。しかし暫く復旧しそうに無い。全体に、覚悟していたより車は少ない、まともな渋滞にはヨセミテバレーのなかでも結局遭遇せず、事前の情報は全てがオーバーなもののように思えた。帰りはMercedの少し手前のMerced Fruit Burnというフルーツ屋で休憩・買い物、ダチョウなんかが飼ってあってちょっと不思議な店だ。ルートは99を132で曲がらずそのまま北上、120と交差する少し手前のガソリンスタンドのある出口で降りて給油。少し安い。またそのまま99にのって、120を左折、I5を少し走って205へ右折。暫く行くと205の逆方向がえらく混んでいる。工事らしい。行きに205を使わなかったのはこのためか。どちらのルートでも大差ないような気もするが、流れていれば帰りのI5を経由するルートのほうが少し早そうだ、ただし休憩ポイントは少し設定が難しくなる。
ヨセミテの中心ヨセミテバレーでは、トンネルビュー降車(ここはかなり混んでいる)、センチネル橋降車(ここは橋の下の水辺が涼しくていい)、ヨセミテロッジ駐車(問題なく停められる)。ヨセミテフォール・ロワーのコースを歩いてみるが、舗装された道を歩くとすぐつく感じでトレッキングではない。舗装路の終わりから滝の近くまで石だらけの河原を少し進んでみるがどうというほどのことは無い、とにかく人は多い、強いユーロのヨーロッパ人やアラブ人やインド人や韓国人や、多い。アメリカ人はガソリン高で遠出は控えているのかもしれない、あまり目立たない、あるいはアメリカ人は殆どがトレッキングや水遊びや岩登りをしていて観光スポットにいるのは本当の観光客だけということかもしれない、しかしともかく国際的だ。ヨセミテロッジから戻り始めるが途中2箇所道端で降車、地図にPが無くても適当に停めるスペースがある。クルマでの観光に適している。川べりでブライダルベールやハーフドーム遠望、草原に入ってエルキャピタンの岩壁をやや真近でみる、それなりの景色だが暫く見ていると慣れてきて普通になる。滝は雪解け水が乏しくなってこの季節にはもう迫力が無い。5月がどうもいいらしい。でもどうしてもアメリカらしい大味な観光地という印象がぬぐえない。夏は、公園の中に少なくも一泊はして早朝からトレッキング、昼間は川でゴムボートで川下り、というのが良さそうに見える。夏場のピークに中に宿をとるには半年くらい前から予約を抑えることが真っ先にやらねばならないことのようだが。
サンフランシスコに戻ると相変わらず涼しい、風が強い浜では寒いくらいで、フリースを着て歩く人が多い、売店でもフリースの上っ張りを安くたくさん売っている。この落差、暑い山を出て、街へ避暑にいく感覚がどうにも面白い。こんなことだとは思わなかった。旅をすると出会うこと全てがぷちぷちと肌に感じて、外れというものがない。しかし、とめどがない、どこかフリーフォールの感じがする、不思議の国のアリスのようだ。
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