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2008年7月30日 (水)

ヨセミテ、2008、夏

7月の終わりにサンフランシスコに行ったついでにヨセミテ(Yosemite)を少しばかり見てきたが、なんYosemi2 だか予想と違っていた。そもそもはレンタカーで行って公園内に一泊する予定が、1.5ヶ月程前に手配したのでは公園内の宿は既に満杯でゲートから8マイル外のEl-PortalのCedar Lodgeをとりあえず抑えて準備していた。そうこうしているうち間際になって、着いて翌日のレンタカーの遠出は大丈夫かとの声現地よりあり、更に夏のピーク時期はバレー内の車の渋滞がひどいとかCedar Lodgeの評判が良くないとかを色々見てしまって、やる気をそがれて結局日帰りバスツアーに急遽変えてしまった。Google Earthなんかでかなり道は調べてヨセミテまで走っていくことそのものが結構面白そうではあったのだが,まあバスもそれなりだろう。
ともかく出かけた。ヨセミテの印象はどうだったか ; 暑い、とんでもなく暑い、写真を見ると高原のようで涼しそうだが高原ではない、暑くてトレッキングする気がしない、水遊びが最適。鳥も暑くてあまりいない。車の音がうるさくて録音は不向き。観光化されている、かなりのものだ。あるがままの自然を保存というのがヨセミテのうたい文句だが、アメリカ人の自然に対する認識はこんなものかと思ってしまう。熊よけの対策も言われているほど厳格ではない、数日間もクルマに置くのでなければ、短いトレッキングなら適当に化粧品や食物をシールして見えないようにしておけばどうみてもよさそうだ、なんせ人が多い、匂いがどうのというレベルとはとても思えない,ゴミ箱もそこらじゅうにある。
気にしていた道順はI80-580-132-99-140のルートだった。やはり適当な休憩場所は道に沿って直ぐに停められる132の途中と140のMariposaになる。誰が考えても同じことか。時間は休憩込みでサンフランのユニオンスクエアからゲートまで4時間程度で、標準的。レンタカーで行っても全く問題ない道だった。140はMariposaの先でがけ崩れあり、仮橋で対岸の迂回路に誘導される、この部分だけ一方通行で若干滞るが大したことは無い。4年位前のがけ崩れがまだ復旧していない、迂回路は1年ほど前から大型バスが通れるようになって曲がりくねった120を使わずに済む様になったので良くなったとはガイドの弁。しかし暫く復旧しそうに無い。全体に、覚悟していたより車は少ない、まともな渋滞にはヨセミテバレーのなかでも結局遭遇せず、事前の情報は全てがオーバーなもののように思えた。帰りはMercedの少し手前のMerced Fruit Burnというフルーツ屋で休憩・買い物、ダチョウなんかが飼ってあってちょっと不思議な店だ。ルートは99を132で曲がらずそのまま北上、120と交差する少し手前のガソリンスタンドのある出口で降りて給油。少し安い。またそのまま99にのって、120を左折、I5を少し走って205へ右折。暫く行くと205の逆方向がえらく混んでいる。工事らしい。行きに205を使わなかったのはこのためか。どちらのルートでも大差ないような気もするが、流れていれば帰りのI5を経由するルートのほうが少し早そうだ、ただし休憩ポイントは少し設定が難しくなる。
ヨセミテの中心ヨセミテバレーでは、トンネルビュー降車(ここはかなり混んでいる)、センチネル橋降車(ここは橋の下の水辺が涼しくていい)、ヨセミテロッジ駐車(問題なく停められる)。ヨセミテフォール・ロワーのコースを歩いてみるが、舗装された道を歩くとすぐつく感じでトレッキングではない。舗装路の終わりから滝の近くまで石だらけの河原を少し進んでみるがどうというほどのことは無い、とにかく人は多い、強いユーロのヨーロッパ人やアラブ人やインド人や韓国人や、多い。アメリカ人はガソリン高で遠出は控えているのかもしれない、あまり目立たない、あるいはアメリカ人は殆どがトレッキングや水遊びや岩登りをしていて観光スポットにいるのは本当の観光客だけということかもしれない、しかしともかく国際的だ。ヨセミテロッジから戻り始めるが途中2箇所道端で降車、地図にPが無くても適当に停めるスペースがある。クルマでの観光に適している。川べりでブライダルベールやハーフドーム遠望、草原に入ってエルキャピタンの岩壁をやや真近でみる、それなりの景色だが暫く見ていると慣れてきて普通になる。滝は雪解け水が乏しくなってこの季節にはもう迫力が無い。5月がどうもいいらしい。でもどうしてもアメリカらしい大味な観光地という印象がぬぐえない。夏は、公園の中に少なくも一泊はして早朝からトレッキング、昼間は川でゴムボートで川下り、というのが良さそうに見える。夏場のピークに中に宿をとるには半年くらい前から予約を抑えることが真っ先にやらねばならないことのようだが。
サンフランシスコに戻ると相変わらず涼しい、風が強い浜では寒いくらいで、フリースを着て歩く人が多い、売店でもフリースの上っ張りを安くたくさん売っている。この落差、暑い山を出て、街へ避暑にいく感覚がどうにも面白い。こんなことだとは思わなかった。旅をすると出会うこと全てがぷちぷちと肌に感じて、外れというものがない。しかし、とめどがない、どこかフリーフォールの感じがする、不思議の国のアリスのようだ。

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2008年7月23日 (水)

随分蒸し暑い

Mukg08 なんだか今年は随分蒸し暑い、南の海の湿った空気が濃く寄せてきている。日本近海の海水温がこのところずっと高めになっている。世界的には低くなっているところも結構あってそら温暖化といってしまうこともできない。とにかく世界はつながっている。
世界の景気の先行きがかなり怪しげだ。アメリカの経済運営もカビの生えたようなマンデル=フレミング・モデルに従った金融緩和政策で世界中に投機をばらまいて、慌てて原油投機を抑制する法律を議会が通そうとしたりしてやはりバーナンキのような学者にはこの危機は対処できないか、と思ってしまう。経済学は本当に人の役に立っているのだろうか。世界の国家間のスタティックな関係を前提とした学問はどうも好きになれない。もっと広範な経済統合が図られるべきなんだろう、世界の統一貨幣も創設されるべきなのだろう。
ともかくアメリカの様子もみてくるか、もう海外には行きにくくなってくるような気がして。

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2008年7月19日 (土)

Boeing versus Airbus

NewhousのBoeing versus Airbus という本を読んでいたらやっぱり日本のことにも話が及Bva ぶ。Newhousは以前Sporty Gameという民間機ビジネスを巡る航空界の内実をリアルに記したことで知られている、これはいわばその続編だ。Boeingがなんで787の主翼を日本にアウトソースすることになったか、労賃が安いわけではない、マネーが安いためだ、としているが、別に日本にアウトソースして資金を節約できたかどうか、それは解らない、ともしている。販売への配慮も多分にある。
製造物を作って売るビジネスで、どの段階に付加価値(利益)が最もあるか、は製造物によって異なる。パソコンでは組み立てが最も付加価値が少なく部品とサービス・販売が利益が大きい、スマイルカーブと台湾エイサーのスタン・シーが言い始めた関係だが、この見方は特に電機業界で根強く支持されてきたように思う。部品の高度化で自動車にもそんな傾向が出てきているが航空機はまだそうでもない、インテグレーションの重さが大きい、部品アウトソースで失う利益より経営を軽くすることの利益が勝る、更に販売につながるといえば是非とも部品はアウトソース、という考えなのだろう。エアバスは中国でのA320の最終組み立てラインの開設にまで進めてきている。このままアウトソースの波が航空機業界で突き進んで、ブランドだけで生きていく様になるのか、やはり無理が露呈して揺り戻されるのか、どこまでも揺れていくのか、この先どうなって行くのかなかなかの見ものだ。
米国の貿易の黒字分を稼ぎ出している産業の1位は航空宇宙産業だ、国の貿易収支を支配する航空機ビジネスはただのビジネスではない。巨大なリスクとダイナミズムがある。日本は(熱い時期を通り過ぎてしまった)、リスクを背負えなくなっている、むしろ中国の方が出てきそうだ、そんな指摘も元ボーイングCEOから語られている、そうかもしれない、何かが足りなくなっている。なんだろうか。

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2008年7月17日 (木)

梅雨が明ける

Nw 庭に出るとむっとした空気が満ちている、湯に浸かったような感じだ。梅雨はもうとっくにあけてしまったとみえる。庭でムシが鳴き始めた、ジーーと単調に鳴いている、クサキリの類だろうか。梅雨が明けるとセミが鳴き始めるのがこの庭ではならわしなのだが今年はムシだ。セミはまだ寝ているのだろう。

足の裏が乾いてくるような、この先に対するかすかな不安が漂っている。

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2008年7月11日 (金)

原油の高騰が

原油の高騰があまりにも激しくて息を呑む思いだがこんなことがあると成り立たなくなるビジネスが出てくる反面この機にビジネスを伸ばそうとする動きが出たりしてそれはそれで結構面白い。例えば航空ビジネスではローカル線を飛ぶ小型の50席クラスのリージョナルジェットはもともと座席あたり距離当たりの燃料コストが100席クラスに対して割高なものがあったのだが燃料費が倍以上になるともう少々の値上げでは成立しなくなる、市場がなくなるように見えて、米国では次々に50席ジェット運行のエアラインが廃業に追い込まれている。これKoukuに代わって燃費のまだいいターボプロップが伸びるとみて参入をはじめるメーカーや、ターボプロップでも小型では無理だとみて小型機から撤退する会社が入り乱れて、それぞれの判断が問われているようで面白い。既存のパラダイムがシフトすることになるので当然といえば当然だが。
しかしそもそも何故原油がこうも上がり続けるのか、原因についても見方がまだ固まっていない思いがする。暫くは投機説が主流だったがここへきて投機にしては続きすぎる、もっと大きな仕掛けがある、と考えるむきが優勢になってきたように見える。米国がサブプライム対策で金融を急激に緩和したのが世界に波及してカネ余りによって資源インフレを生んだその端的な例が原油である、という見方である。原油高というよりインフレの一局面と見たほうがいいということになる。こうなるとこの状況からの脱出は容易ではない。米国の景気後退が深刻さを更に増すと一気にインフレから市場の暴落―デフレ突入もありうる、米国での金融引き締めのタイミングも難しい。
難しいが、滅多に無い事態だ、先がどうなるか面白い。面白がるにはこれはちと深刻だが。

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2008年7月 6日 (日)

日光がグローバル化して

久し振りに奥日光戦場ヶ原を散歩した、夏休みの雰囲気に近くてぞろぞろと子供たちやウォーキング団体やで、混雑している。目立つのは外国人だ、何故か中国人のカップルや欧米人のような2人連れもいたり、一人の人もいたりとにかく外国人が多い、でもちゃんとコンニチハと言ってくれる、ガイドブックにそのようにすべきと書いてあるのだろうか。午後は殆ど確実に雷の予報だったが行き違う人がなんとなく軽装な様に見える、大丈夫なんだろうか。この時期花がよくてハクサンフウロやワタスゲやアヤメや、華やか雰囲気でチョウもひらひらと次々に現れる。雲行きは相当に怪しいがここならどうにでもなる。ノビタキの飛び交うのを感じながら白樺の点在する風景をスケッチしていたら大粒の雨粒が落ちてきた、ゴロゴロも来た。こちらはそら来たとばかり雨具をばっちり着込む、寒Nbtk くも無くて雨が降った方が心地よくさえある、ノビタキはどこかへ消えてしまったがアオジはまだまだ楽しげに鳴いている。しかし辺りを見回すと案の定貧弱な雨具ばかりだ、全く無い人もいる、まあせいぜい風邪を引くくらいで大したことはあるまい。男体山にはばんばん雷が落ちている、戦場ヶ原にとって男体山は大きな避雷針のようなものだが今日男体山に登っている人は気が気ではあるまい。
梅雨開け宣言はまだ関東ではないがもう梅雨明けの雰囲気だ。ジェット気流も波打ちながら北上してきて来週半ばには宣言してもよさげに見える。
それにしても日光の山の中の国際化か。グローバル化は止め処が無い。明らかだ。国立公園でなくて地球の公園なんだ、アラブの石油でなくて地球の石油なんだ。地球の温暖化なんだ。もはや連邦政府が必要な時代になってしまっているのではなかろうか、地球の。

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2008年7月 4日 (金)

ほたる

ほたるを見たいと思って出かけた。今年は何故かタイミングが合わず7月に入ってしまったがまだいるだろうと冬室に向かう。ゴルフ場の前で少し待ってみる、8時前だったのがいHotaru1 けないのか何故か全くいない。見物の車も無い。何か変だ。あきらめて帰りかかると明るいホタルが1匹舞い上がる。青白く明るい。しかしこれまでだ。ここは終ってしまったのだろうか。解せない気がして、帰り道、念のため美術館裏に寄る。期待していなかったが、チラホラ飛んでいる。風が出てきて草の葉にとまってあまり活発でない。弱々しい。がとにかく見れてよかった。それにしても冬室のポイントは人が押し寄せるようになって破壊されたのだろうか。難しい。今年は梅雨入りが早かったので早仕舞いになってしまったのかもしれない、そうであることを願う。
確かに迎える年が毎年変わっていく、人の動きも含めたその全てが自然の営みそのものである以上どうしようもないことのように思えてくる。来年はどう変わるだろうか。

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2008年7月 2日 (水)

梅雨の間の北海道へ

いつのころからか梅雨の間は北海道がいいという擦り込みがあって、出かけることにした。本当はJALのおともでマイルを使って行く積もりだったのが懸念どおり2週間前の予約開始の瞬間に席は蒸発して土曜朝一番の釧路行きは全くとれない、余程の技がある人か優雅な生活でないとおともでマイルは使いにくいのか。プランBにてマイル値下げを利用してマイルをフルに使って行くことにするが、これも土曜朝一番は空きがない。とりあえず朝2番の便を取ってキャンセルを待つ。思惑通り4-5日待つとキャンセルが出始める、やっとの思いで第1便の席が揃って確保できたのは出発の5日前だった。次はおともでマイルのキャンセルをしぶとく待って使えるようにと思うが次はいつくることやら。航空運賃も上がってきてマイルの価値も高まってきている。
釧路空港に降り立って直ぐに予約のレンタカーで出発する。ナビがどうも入れにくい。レンタカーにナビがつくようになって気楽になっただけでも有難く思うべきなのだろうが。北海道のレンタカーは数十年ぶりだ。昔よりやはり道が良くて速く走れる。バスすら速くて抜くのに一苦労する。走っているとガソリンスタンドの少なさに不安になる。人口が少なくて商売にならないのだろうか。必需品なのに。温根内や屈斜路湖や涛沸湖を回って知床へ。
ともかく旅すると色々感じる、知床ウトロの観光狂い、何も無い小清水原生花園、ローリングヒルの中標津の農場、ナビでミスコースした屈斜路湖への道、やはり野付半島の花・鳥、養老牛のシマフクロウの幻想、シュンク・ニタイの存在感、オホーツクのすさびと根釧の明るさ。北海道は広くて芒洋としている、ところどころで人が集まり、ところどころで鳥も集まる。

ウトロは観光の町だった。ウトロは、というよりオホーツク側は、という方が当たっている、世界遺産指定で観光で稼ごうという気持ちが露骨に出ていて感じる、人が多すぎる、バスが多すぎる。船の客引きも多い。知床めぐりの観光船、乗って回りはじめると、やたら岩やら滝やらに名前がついている、そのまま見るだけで十分なのにと思う、オジロワシやケイマフリが出てきてほっとする。ウトロから知床峠を越えて羅臼に出るとなんだか明るくて穏やかで普通の生活がある。どうもこちらの方がしっくり来る。それにしてもクナシリは近すぎる、湾内に延びてくる島に渡れないことの不思議さがある。国境で閉じ込めておくことに何の意味があるのだろうか。人のやっていることが情けなくなる。

知床峠ではギンザンマシコを待ち受けるスコープの一団に遭遇、少しばかり異様だ。そうはいってもとにかく鳥も少しはまじめに見なくてはと旅の終わりにシュンク・ニタイに寄る。Miyakdr 春国岱とはたいそうな当て字だ。確かに鳥も多いがヒグマも出てきそうだ、クマ出没注意が貼られている、こんなところに住んでいるんだ、妙に感心する、生きやすいところに鳥もクマも集まるのだろう。クマゲラは出ないがオジロワシやオオジュリンや干潟にはミヤコドリも10羽くらいいる。どこかにノゴマもいるみたいだ。確かに鳥が多い。種類が多い。

もう道東にはこれないかな、なんとはなしにそう思っている。

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