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2008年8月 1日 (金)

旅をすると

Anomaly 暑い日が続く。どうも日本付近の海面温度が例年より高いようだ、IOD(インド洋ダイポールモード)が出ているらしい、上空は気温は例年より高いわけでもないのでどうしても大気の対流が活発となる。まあ、夏らしくていいが。でも西海岸の涼しさがやはりうらやましくもある。

1週間位でも海外を旅をすると、おや、と思うことに次々と出くわす。
まずは航空券からだ、以前と随分な変わりようだ。とにかく安いサンフラン(SFO)往復航空券をネットで探して格安航空券販売ショップ(今回はR-A-J トラベル)にオーダーする、請求が来て結構な額を払い込むとメールでe-ticketとなるeチケットレシートのURLを送ってくる、ここにアクセスしてeチケットレシートをA4の紙にプリントして出発当日もっていくのだが、こんなもので大丈夫だろうか、という気がしてくる。以前の固い冊子のチケットはもはや使わないということのようだ。e-ticketがエアラインの低コスト化の切り札の一つといわれていたがこんなことなのか、となにやら感慨深い。今回のエアラインはユナイテッドだ。成田でともかくクルマを預けて出発カウンターへ行く。カウンターの前にこちら向きにe-ticket端末が並んでいて、係の人が補助してくれるが基本は自分で入力する。名前を打ち込んでパスポートを読み取り機にかざすと認識されてチケットデータが画面に出てくる、よければこれをボーディング・パスとして印刷して終わり、次に荷物を預ける。持参したプリントアウトは結局使わない、安心のためか、もめたときに取り出すのか。チケットはコンピュータの中にだけある、チケットレスというのが正しい表現になる。この2月に欧州へ行ったときは昔のスタイルだった、時代はかなりの速さで動いている。
米国からの帰りにSFOのカウンターで手続きしたときは更に面白い。こちらではパスポートを係の人に渡すとカウンター内で入力してくれてちょっと見た目昔のようだ。いろんな国の人が自分で入力するというのは無理ではないか、という気がしていたがやはりそうか。係の人は日本語が話せるおばさんだったが、変なことを言い始めた。機体が変わったのでseatingが予約したのと違うことになる、このままだと4列席の真ん中だ、もし足元が広いシートに変えたければ1人89$で変えられて窓側や通路側にセットできる、というのである。ユナイテッドもかなり苦しくなっているには違いない。余分なカネは使いたくないが、楽になりそうなのでエイッと変えることにした。Economy plus という席であることが乗ってみてわかった、確かに前席との間が広いし(+10cmくらい)このクラスの席はガラガラで3列席に2人がけが普通だ、これは楽だ。後で調べるとユナイテッドだけが採用している席配置でマイレージの多い客にあてがう設定だがあまりに該当者が少ないと一般にも紹介するらしい。使えて喜ぶべき事態なのだろうがサーチャージの上にこれか、と少々複雑な思いがする。
帰り便はフライトそのものも少し面白いところがあった。44_291345 機体は747-400でスクリーンも粗く古い印象を与えている、もう引退の時期だ。成田へ近づくと突然太平洋側へ首を大きく振ってゆっくり飛び始めた、パイロットの説明では成田の天候が悪く暫くホールディングするという。ライトスタッフの冒頭に出てくるような落ち着いた声だがそこはかとない緊張感が裏にある。日本語通訳はなぜかきちんと訳さない。雲を見ると確かに柱のように密集した積乱雲が成田辺りにある。ラピュタの雲のようだ。これは中部国際に降りることになるか、と預けたクルマのことやらやっかいなことが頭を掠める。暫くして再びパイロットのアナウンスあり、プランBのルートにて北側の16から降れば悪天候を避けられる、滑走路上はクリア、とありほっとする。なかなか味のあるアナウンスだが日本語訳はただ着陸とだけでつまらない。
この第二四半期に3千億円近い赤字を出しているユナイテッドだが原油高にも不景気にもめげずパイロットも乗務員も地上のおばさんもみんなが頑張っている、踏ん張るところがアメリカらしい。

旅をすると移動することそのものが、刺激的でもある。動いている世界が見えてくる気がしてきて、立体感があって 新しい切り口が開けてくるようでいい。しかしグローバリゼーションはもう止めようがなくなっている。短い旅でも、国境で国を閉じ込めておくことがそろそろ限界に来ていると見えてくる。政治ごっこはいい加減にしたらと言いたくなる。国のためでなく地球に生きる人のための仕組みが出来る世の中に1ミリでも近づければと思う。

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