ハクガンとシジュウカラガンに出会う
伊豆沼で 3羽のハクガンが飛ぶ姿をみた、外翼の推力を出す部分だけが黒くてなかなか美しい。ハクガンというのを手元のフィールドガイド日本の野鳥(改定前)で見ると3羽以上の群れは日本では事実上いないことになっている、3羽というのはこれはめずらしいのだろう。北極海ウランゲル島で繁殖を続ける東アジアのハクガンはその数が減ってきているらしいが、人の手で増殖を助ける試みもなされているようでそちらの成果が上がってきたのかもしれない。目立つ鳥だがマガンの群れにわずかに混じってもマガンは普通に受け入れてくれている、元は同じガンだという連帯感を感じる。
別の田で、親切な地元の方に教わって、シジュウカラガンが1羽群れに混じっているのを見た。写真には撮れず記憶からスケッチで描いてみると図のような感じだ、どうしても気になった頭が胴体より大きくなってしまう、まあしょうがない、こんな印象だ。ともかくこちらは頭が黒くて頬が白いだけでそんなにマガンと違うという様でもないがやはり群れになじんでいる。ガンは優しい集団のようだ。
極東のシジュウカラガンも絶滅寸前でこちらも人の手で増殖を助けようとしている、千島列島のエカルマ島で放鳥しているらしい。
シジュウカラガンとカナダガンとはなんとなく同じもののような気がしていたが、まじめに調べるとこれが違う、学名はBranta canadensis leucopareia 英名はAleutian Canada Gooseでカナダガンの亜種とある。世界的に見ても絶滅危惧の種で日本では絶滅危惧IA類(CR)指定だからこれは貴重だ。アリューシャン一帯に生息する小型のカナダガンで首に白いリングがあることが特徴となっている、そこまで知らずに見ていた、首のリングまではとても見切れていない、次に出会うときはいつになるのだろうか。
雁の群れもそれを受け入れる人の目も優しい、この分ではまた出会えるだろう。季節はもう冬の空気で満ちている。
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