師走のオペラ
団伊玖磨のオペラ 夕鶴の公演の切符が当たったので鹿沼まで観にいった。鹿沼市の60周年記念行事の一つらしい。この鶴はタンチョウかいな なぞといっているうちに始まる、勿論鶴の被り物をかぶって出てくるわけでもない、見る人すべてがつうは鶴だと思って見 る、それぞれの鶴を思いえがく、みんなが知っている話をゆっくり歌で聞く、オペラらしい。しかし、愛は惜しみなく失っていく様が痛々しい。そんなにお金かいいのかい、と語るせりふも本日現在のこの時代にどこかリアルだ。見ているうちに、前にも栃木でオペラを見たのを思い出した、オペラ日光という創作オペラだった、こちらは話がよくみえないが東照宮の境内で夜演じられていて、暗い闇の中の光の舞台で何か深みがあっていい感じだった、そのうち雨が降り出してそれが次第に強くなり、ついに後半は近くのホールに移動した、するとあかあかとした光の下ですべてがうそっぽくなって、興が冷めてしまった。野外の公演というのはギリシャ以来のものだが、定着したのはそれなりの理由があるように思える、話に引きずりこむ力を与えてくれる。野外のオペラなら新作でも見たい気がする。
夕鶴のほうはさすがに長い間演じられてきただけあってよくできている。感じるものがある。
終わって外に出る、言葉少なに、いつもの師走の風景が流れていく。
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