« 旅とパソコン | トップページ | 航空機が墜落して »

2009年1月12日 (月)

あちこちでブラックボックス化がはびこっている

寒さが厳しくなっている、北極振動指数を見ると今はプラス側で世界的には寒波が北極から降り来る形でもないのだが、ローカルには極東側の極渦が弱くなってきて寒気が北極から流れ出ている。去年も1月中旬は極東と米東海岸に寒波がきておりこのころの波動はこうなのだろう。景気が悪くてこう寒い日が続くと地球温暖化してくれないかと思いたくなる、経済活動が停滞すればCO2の出方も抑えられてしまう。もっともCO2の増大は地球Co2kion の気温上昇にわずかに遅れているという観測結果(添付図、Keeling,1989 による)を見るとCO2が本当に今起こっている気温上昇の原因なのだろうか、と疑ってしまう。ともかく温暖化問題は全体にすこぶる政治的になっていて、温暖化の本当の理由をブラックボックス化して単純化して政治問題としているように見える。こういうブラックボックスは怖い。
マニュアル主義の行き詰まりということを最近よく感じるようになった。どこかの先進的スーパーでマニュアルを止めて仕事がうまくいくようになったというのを読んだこともある。
効率よく手順を理解し また人に伝えるにはマニュアルというのは便利な道具だ、しかしどこか安直になっている、考えることを止めているように思う。作業マニュアルは考えることの停止を暗に求め機械的な動作とすることで品質を保とうとしている,そういうことが必要な場面も確かに多々ある、変に考え込むと先へ進まなくなる、しかし思考がいる場面での思考停止は危ない。
更に進むとマニュアルがあるがために複雑な手順を容認していく、マニュアルが厚くなる、どこかでそれが破綻してシステムの停止が起こる。ISOの認証も結局は手順をマニュアルに類する煩雑な手順文書に落とし文書化することで品質が保たれたことにしている、しかし依然として不具合は起こる。
身近では家電のマニュアルがPL訴訟対策でほとんど誰からも見られない注意書きでいたずらにページ数を増している、責任逃れの有害な風景にみえる。
マニュアルの殆どないやり方を追求すべきなのだろう。
テレビ番組がつまらなくなっているのもきっとどこかにマニュアルに類するものがあって思考停止の番組つくりが行われているのではないかと思う。
マニュアルは言葉を重ねることで考えるべき何かをブラックボックス化している。
あちこちでブラックボックス化がはびこっている、サブプライムローンの証券化は最近の最も甚大な被害を及ぼしたブラックボックス化の事件だ、まだまだ続くだろう。この恐慌にも似た突然の世界同時不況で世の中が少しまともな方向へ動くものなら、ブラックボックス化をゆり戻すような向きに向かないか、と期待してしまう、なにしろ世の中が変わるのはこんな時しかないのだから。

|

« 旅とパソコン | トップページ | 航空機が墜落して »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: あちこちでブラックボックス化がはびこっている:

« 旅とパソコン | トップページ | 航空機が墜落して »