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2009年2月27日 (金)

飛行機事故が

飛行機事故が今年は多い。今度はスキポール空港でのトルコ航空737-800の墜落だ。パイロット、コパイの両方が亡くなっており、事故原因解明には暫くかかろうが、前進速度が殆ど無い失速状態で墜落していること、燃料に火が回っておらず燃料がかなり少なかったと思われること、直前までパイロットは異常を伝えていないこと、あたりが手がかりとなりそうな気がしている。オートパイロットでのアプローチ中の燃料切れが疑われる、燃料切れで推力低下してオートパイロットが経路保持のため頭を上げる、抵抗増大推力不足で急減速そのまま失速に入って墜落というパターンだ。フライトレコーダは回収され解析中というからまもなく状況は公になるだろう。
737の事故といえば昨年9月にロシアのアエロフロートの737-500がロシアのPermという町で墜落・全員死亡した事故があってこの間、ロシアの国土航空委員会から事故報告書が出された。原因は、複合的要因によるパイロットの空間失調によるものとしているようだ。複合的要因としては、夜間、雲中、オートパイロットオフ、パイロットは過労、アルコールも検出、機体のスロットルレバーは左右アンバランスで整備もよくない、その上パイロットは計器表示が違うロシアのイリューシン旅客機を長く操縦しており、姿勢表示計器が欧米式のものになじんでいなかったのではないか、という点を上げているという。気になるのは最後のところで、姿勢の計器表示が違うとはどういうことか、と説明をみるとこれがかなり違う、欧米式は水平線を水平儀が表示する(機体に固着したウイングマークも重ねて表示)が、ロシア式では計器の水平線は機体に固着してその上にウイングマークを傾Hyouji けてバンクの値を表示する。ロシア式に慣れていてとっさに欧米式の水平儀とウイングマークはロシア式の逆なだけだと思ってしまうとバンクが逆になる、戻そうとする舵がもっとバンクを深めてしまう。確かにこんな状態で体調悪くて雲中で計器飛行すれば危ない。計器表示くらい国際規格で統一しないと、と思うがそれぞれの国は航空へのこだわりのある歴史を抱えていて簡単ではないのだろう。こういうパイロットでも安全に飛行できるやり方を考え出さねばならないように思える。大分以前米国でフィート・ポンドの単位系からメートル基準のSI単位系への移行を推し進めていたが、火星探査機が設計の単位間違いで宇宙のゴミと消えたとか、色々と難しいことが起こり 沙汰止みになってしまった。なじんだものを切り替えるのは容易ではない、それが人間らしい一面でもあるようで、生々しくもある。

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2009年2月24日 (火)

銚子のカモメ

春めいた空が感じられるようになって、かもめを見に銚子まで走った。北関東自動車道というのがやっと大洗までつながって太平洋が近くなっている。宇都宮から海まで1時間くらいでたどり着ける、大洗から海沿いに南下して銚子まで走っても宇都宮から3時間ほどだ。海に近い開けた明るい空が春の近さを感じさせて走っていても楽しい。銚子近くまで来るとやたら大型風車が視界に入ってくる。たしかにここは風況がいいと聞いたことがある、国内の数少ない風車適地だ、それにしても波崎や銚子のあちこちにばらばらに大きな風車が立っているのは不気味なものすら感じる。とにかく風が強い。
銚子の港には同じような かもめウオッチャーがここそこにいる、かもめは難しい、似たものが多い上に夏羽、冬羽に1年目、2年目と羽の様子が変わってくる、銚子の港のかもめは種類が多くて色々比べられるのがいい、図鑑やらネットでコピーしてきた説明図と目の前のかもめをまじまじと見比べながら判別を試みる。セグロカモメ、オオセグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメKurowa2 なんかを見ていると、アイスランドカモメの声あり、クロワカモメの声もあり、カナダカモメがいるとの声も。かなりのカモメのベテランがいるようだ。とにかくそれぞれに特徴が確かに分かる、カモメに親しみがわいてくる、しだいにはまってくる。堤防でお休み中のかもめは見るのが楽だ、伊豆沼のガンの群れより近づけて見やすい。こちらはカモメが漁船を追ったり人の営みに鳥が寄ってきている風もあって人も含めた地球の自然そのものが感じられてそれがよくもある。カモメは波が荒くて沖から港へ移動してきているようで数が多い、風が強いのが幸いしていると見える。場所を少しずつ変えながら、不気味に大きいシロカモメや、かわいらしいミツユビカモメと見ていく。そのうちセグロカモメの一群が盛んに水面にダイブして小魚を捕っているのに出くわしたり、沖を見ると海の上の上昇気流にカモメ柱ができていたり、見ていて飽きない。時間だけがどんどん過ぎ去る。持って来たネットの説明図にあるカモメWkamom は大半を見たがワシカモメだけはどうしても しかと見つけられない。口ばしの下側が膨らんでいるのが特徴とある、茶色の若鳥でそれらしいのがいるが写真にとって拡大してみても自信がない、これは難しい。しかし見残しがあるのもいい、また来る口実になる。シノリガモや(道東で見損ねた)アカエリカイツブリや(福岡で見損ねた)クロツラヘラサギも出てきてそれもそれぞれに感じるところがあるが、カモメだけでもこれほど楽しめるとは思わなかった。鳥を見ながら流れていく風景が、薄緑色の時間が、心地よくてしばらくは鳥見はやめられない。

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2009年2月17日 (火)

カナダガン

ニューヨークあたりでの航空機の墜落といえばつい先ごろハドソン川に鳥に Canadagoose1 落とされて不時着したA320があったが、衝突した鳥はカナダガンであることがDNAから確定したとニューヨークタイムスの13日のweb版に出ていた、事故から一月くらいもかかっている、これは遅い。カナダガンは渡り鳥で映画wataridoriでも主役のように登場していたが、渡りをしないカナダガンというのがこのあたりに結構いるらしく、1990年は100万羽だったのが今は人の住む環境が居心地がよくて400万羽に増えており、この渡りをしないほうが当たったのではないかと疑われている。同じ期間に北米のバードストライクは5倍に増えているというから、話は合う。渡りをするカナダガンでも6ポンドから11ポンドくらいの重さで、渡りをしないほうは更に太っていて、エンジン試験で使う4ポンドの鳥よりはとにかく重い。こんなのが当たればたまらない。400万羽もいるのでは対策は容易ではない、そのうちレーダーで鳥の群れを確認してから出発許可や着陸許可が出るようになりそうだ、ともかく鳥から逃げて人は飛ぶしかなくなるのだろうか。地球と折り合いを付けながら水のように生きていく、それが人類の生き残れる道といわれているような気がしている。

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2009年2月16日 (月)

Dash8が墜落して

バッファローでボンバルディアのDash8が墜落した、伝えられる話からは明らかに氷結による失速・墜落のように見える。航空機の着氷は気温が単純に低ければ起こるというものではない、零度以下でも水が凍らない過冷却の水滴が浮かぶ雲に航空機が突っ込み水滴が翼や胴体に当たって流れながら凍りつく状態で起こる、雪やあられの固体が降っている状況では着氷は問題にならない。米国では五大湖地方が着氷の名所だ、気温の低い割に空気Dash8 中の過冷却の水滴の割合(Liquid water content)が高くなりやすい。みぞれが降っていたといわれる今回の気象はまさにヘビイな着氷がおこりそうな状況だ。この機体のシリーズはそもそもが高級な高揚力装置を付けて短い滑走路の運行を可能にするというのをセールスポイントに開発された、部品点数が多くてコストが上がりがちな素性の機体だったものを、世界中の安い下請け引き受け手を捜して成り立たせている、そんな機体だ。フラップを下げたところで着氷すれば強力なフラップの効きを前提に速度を十分下げていたところへの着氷でフラップの効きが大きく失われて失速に入りやすい、それも急激にそんな事態に陥る。着氷は基本は目で見るしかない、Dash8のような翼の着氷を割るタイプの空気式の除氷ブーツでは気がついてからでの対応では間に合わない、高度も低ければ失速から回復もできない、墜落大破にいたった情景が目に見えるようだ。ルールに従った機体でルールに従った運行をしていて乗客の命が失われる。米航空局は対応を迫られるだろう。こうやってまた航空機は安全になる,命が失われないと安全になれないのも情けないが。

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2009年2月11日 (水)

スキーはやめられない

冬は雪遊びが楽しみなのだが、天気や都合やなかなかタイミングが合わなくてやっとこの間ゲレンデスキーに行ってきた。前にしょっちゅう行っていたときも感じていたが、休日には時間があれば必ず行くと構えてもシーズンで7日も行ければ上出来の部類D1010002_2 だ、熱意が少し冷めると年1回がいいところになってしまう。スキーの板も暫く買っていない、今やちょっと長すぎる、でも滑りたい。とにかくハンタマへ出かける、思いのほかクルマが多くて、小さい子供連れの家族が目に付く、団塊ジュニア世代が子連れで楽しんでいる風だ。団塊の世代は戦後そのものだ、ここにも先の大戦の時を経た波が届いている、この先第3世代第4世代へと波は伝播しそうだ、いつまで続くのだろうか。勿論大学生も多いようでゴンドラにて同乗する若者から聞こえてくるのは大体が大学の話だ。スキー・スノボはそう簡単にはすたれない、スキー場にたどり着くにはそれなりの装備と努力が求められるにもかかわらず、だ、健全だこれは。雪はこの時期にしては良くない、春のようだ。2月のはじめでこうでは、もっと北へ行くしかない、がちょっと思い切りが要る、一人で走っていくには限りがある、同志を募るしかない、しかしそれも面倒だ、やはりあきらめスキーになってしまう、それでもいい。ゲレンデは混んでいるという程ではないが適当に人がいて飛ばしていくとぶつかりそうになる、逃げ切れない場合もある。トップからの斜面は心地よいが用意されたコブ斜面はうまくいかない、最近の短いスキーに換えねばと思う、が年1回では躊躇してしまう、時が脇をざあざあと流れていく。
ともかく、急斜面に身を投げ出してスキーに乗っていく感覚がよくて、怪我の危険と背中合わせの感覚がむしろよくて、リアルに生きていることを感じるのがよくて、スキーはやめられない。

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2009年2月 7日 (土)

携帯は時代を映し

携帯電話をズボンに入れたまま洗濯してしまって携帯を買い換えざるを得なくなった。N703iμの薄くて軽いのが気に入っていたのだがそれが災いしてかこんなはめになった。近くのドコモ店に行くと一応水濡れ用電池が用意してあって電池だけ換えて中のデータが取り出せないか見てくれるが、洗濯したのではとてもだめだ。同じ機種の新しいものと買い換えるか1年3ヶ月しか経っていないのでまだ何とかなるだろうと思っていたが、もはやこの型は在庫がないとの返事がくる、命が短い携帯の世界だ。店に展示してある機種の数も以前よりだいぶ少なくなってバラエティーがなくなっている、日本の携帯業界の元気を失っていく様を感じてしまう、ガラパゴス化というより南極化のようだ、寒々としている。ゼロ円携帯のビジネスモデルはいんちき臭かったがその胡散臭さが良かったのかもしれない、今や5万円携帯だ、価格を聞いてビックリする。やっぱり薄型軽量がよくて、店にあるもので最軽量最薄型を探す。結局D705iμというのを選択して割引やら何やら値引きやらをフルに使って1万3千いくらまで下がるがこれまでだ、しょうがない。三D705im1 菱電機は携帯から撤退したと思っていたがまだ売っている。ともかくこれが最後の作品なのだろう。ストレート型で厚さ10.2mm重さ82gだから元のより更に薄くて軽い。以前Dも使っていたことがあって思い出しながら使い始める、電池の持ちが今ひとつのようだが小さい分しょうがない,Yシャツの胸ポケットに入れても気にならないところがいい。サンヨーの携帯部門は京セラに売却されたが、三菱は携帯部門を売却することも無くそのまま止めてしまった、色々あるのだろう。最後の思いがこもっているようで大事にしなくては。
携帯がキラキラしたものを失って勢いが無い様はどこかいまの日本を象徴しているようだ、こんなところにも時代の生々しい切り口が現れて、携帯は時代を映していて、それが面白い。

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2009年2月 6日 (金)

SYNOP

世界中から毎日のように赤字だ人員削減だ先が見えないと暗い話が送られてきて、またナショナリズムと独裁が世界を覆う時代になるかもしれないとの恐れがうっすら漂ってくる、不安な時代の予感がする。
気象のはなしに付き合いだして暫く経つが近頃SYNOPという観測データが少し気になっている。SYNOPは全世界の観測点の刻々の定時の観測データを世界で共有できるようになっている仕組みで、リアルタイムで全体のデータを入手できるサイトが海外にいくつかある、いままでCOD(カレッジ・オブ・デュペイジ)のページを時々見ていたら今年になって突然アクセスできなくなった、他を探してみるとフロリダ大のページからアクセスできることがわかってここから今はみている。SYNOPデータは数字の羅列で読み方は暫く慣れが必要だがなれるとアメダス点より情報量が多い、有人観測が多くて雲の種類も配信される。南極の昭和基地やらピョンヤンやらもあって世界中で同時刻に一斉に観測して観測者の国籍や信条を問わず直ぐにデータを配信する様がどこかすばらしい。12時の観測データは12時半ころには配信されている。日本付近では極東ロシア、北朝鮮、韓国、日本、それに船舶からのデータをひろうと天気図が書ける、手動のデータ収集を織り交ぜながら半自動でGMTでパソコン上に書かせてみるとなんとかできた。こんな具合だ。見ているとそれぞれに働く人に思いが走って味わいがある。ロシアからはマイ09020603y ナス30度越えのデータも入る。更に、世界標準時の毎日0時と12時には世界各地で気象観測気球が上がって高層データが取得されて直ぐに配信される。北極から南極まで、勿論北朝鮮もロシアもイラン(イラクは無いが)も、データを毎日2回気球を上げて確実に配信してくる、この高層大気データやSYNOPデータから各国で直ちにスーパーコンピュータで全地球の気象モデルを解いて未来予測を行う、観測から7-8時間後には気象予報として各種の美しいデータになってわれわれの眼に触れることになる。-30度を越える低温の暗黒の世界で黙々と観測する観測者に思いが走る。色々争いごとはあるが必ずつながっていけるところがある。世界の連帯を感じる。こんなシステムが機能しているうちは世界が本当に壊れてくることも無いだろう。人類は少しづつ前に進んでいけているのかもしれない。

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