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2009年2月16日 (月)

Dash8が墜落して

バッファローでボンバルディアのDash8が墜落した、伝えられる話からは明らかに氷結による失速・墜落のように見える。航空機の着氷は気温が単純に低ければ起こるというものではない、零度以下でも水が凍らない過冷却の水滴が浮かぶ雲に航空機が突っ込み水滴が翼や胴体に当たって流れながら凍りつく状態で起こる、雪やあられの固体が降っている状況では着氷は問題にならない。米国では五大湖地方が着氷の名所だ、気温の低い割に空気Dash8 中の過冷却の水滴の割合(Liquid water content)が高くなりやすい。みぞれが降っていたといわれる今回の気象はまさにヘビイな着氷がおこりそうな状況だ。この機体のシリーズはそもそもが高級な高揚力装置を付けて短い滑走路の運行を可能にするというのをセールスポイントに開発された、部品点数が多くてコストが上がりがちな素性の機体だったものを、世界中の安い下請け引き受け手を捜して成り立たせている、そんな機体だ。フラップを下げたところで着氷すれば強力なフラップの効きを前提に速度を十分下げていたところへの着氷でフラップの効きが大きく失われて失速に入りやすい、それも急激にそんな事態に陥る。着氷は基本は目で見るしかない、Dash8のような翼の着氷を割るタイプの空気式の除氷ブーツでは気がついてからでの対応では間に合わない、高度も低ければ失速から回復もできない、墜落大破にいたった情景が目に見えるようだ。ルールに従った機体でルールに従った運行をしていて乗客の命が失われる。米航空局は対応を迫られるだろう。こうやってまた航空機は安全になる,命が失われないと安全になれないのも情けないが。

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