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2009年2月 6日 (金)

SYNOP

世界中から毎日のように赤字だ人員削減だ先が見えないと暗い話が送られてきて、またナショナリズムと独裁が世界を覆う時代になるかもしれないとの恐れがうっすら漂ってくる、不安な時代の予感がする。
気象のはなしに付き合いだして暫く経つが近頃SYNOPという観測データが少し気になっている。SYNOPは全世界の観測点の刻々の定時の観測データを世界で共有できるようになっている仕組みで、リアルタイムで全体のデータを入手できるサイトが海外にいくつかある、いままでCOD(カレッジ・オブ・デュペイジ)のページを時々見ていたら今年になって突然アクセスできなくなった、他を探してみるとフロリダ大のページからアクセスできることがわかってここから今はみている。SYNOPデータは数字の羅列で読み方は暫く慣れが必要だがなれるとアメダス点より情報量が多い、有人観測が多くて雲の種類も配信される。南極の昭和基地やらピョンヤンやらもあって世界中で同時刻に一斉に観測して観測者の国籍や信条を問わず直ぐにデータを配信する様がどこかすばらしい。12時の観測データは12時半ころには配信されている。日本付近では極東ロシア、北朝鮮、韓国、日本、それに船舶からのデータをひろうと天気図が書ける、手動のデータ収集を織り交ぜながら半自動でGMTでパソコン上に書かせてみるとなんとかできた。こんな具合だ。見ているとそれぞれに働く人に思いが走って味わいがある。ロシアからはマイ09020603y ナス30度越えのデータも入る。更に、世界標準時の毎日0時と12時には世界各地で気象観測気球が上がって高層データが取得されて直ぐに配信される。北極から南極まで、勿論北朝鮮もロシアもイラン(イラクは無いが)も、データを毎日2回気球を上げて確実に配信してくる、この高層大気データやSYNOPデータから各国で直ちにスーパーコンピュータで全地球の気象モデルを解いて未来予測を行う、観測から7-8時間後には気象予報として各種の美しいデータになってわれわれの眼に触れることになる。-30度を越える低温の暗黒の世界で黙々と観測する観測者に思いが走る。色々争いごとはあるが必ずつながっていけるところがある。世界の連帯を感じる。こんなシステムが機能しているうちは世界が本当に壊れてくることも無いだろう。人類は少しづつ前に進んでいけているのかもしれない。

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