飛行機事故が
飛行機事故が今年は多い。今度はスキポール空港でのトルコ航空737-800の墜落だ。パイロット、コパイの両方が亡くなっており、事故原因解明には暫くかかろうが、前進速度が殆ど無い失速状態で墜落していること、燃料に火が回っておらず燃料がかなり少なかったと思われること、直前までパイロットは異常を伝えていないこと、あたりが手がかりとなりそうな気がしている。オートパイロットでのアプローチ中の燃料切れが疑われる、燃料切れで推力低下してオートパイロットが経路保持のため頭を上げる、抵抗増大推力不足で急減速そのまま失速に入って墜落というパターンだ。フライトレコーダは回収され解析中というからまもなく状況は公になるだろう。
737の事故といえば昨年9月にロシアのアエロフロートの737-500がロシアのPermという町で墜落・全員死亡した事故があってこの間、ロシアの国土航空委員会から事故報告書が出された。原因は、複合的要因によるパイロットの空間失調によるものとしているようだ。複合的要因としては、夜間、雲中、オートパイロットオフ、パイロットは過労、アルコールも検出、機体のスロットルレバーは左右アンバランスで整備もよくない、その上パイロットは計器表示が違うロシアのイリューシン旅客機を長く操縦しており、姿勢表示計器が欧米式のものになじんでいなかったのではないか、という点を上げているという。気になるのは最後のところで、姿勢の計器表示が違うとはどういうことか、と説明をみるとこれがかなり違う、欧米式は水平線を水平儀が表示する(機体に固着したウイングマークも重ねて表示)が、ロシア式では計器の水平線は機体に固着してその上にウイングマークを傾 けてバンクの値を表示する。ロシア式に慣れていてとっさに欧米式の水平儀とウイングマークはロシア式の逆なだけだと思ってしまうとバンクが逆になる、戻そうとする舵がもっとバンクを深めてしまう。確かにこんな状態で体調悪くて雲中で計器飛行すれば危ない。計器表示くらい国際規格で統一しないと、と思うがそれぞれの国は航空へのこだわりのある歴史を抱えていて簡単ではないのだろう。こういうパイロットでも安全に飛行できるやり方を考え出さねばならないように思える。大分以前米国でフィート・ポンドの単位系からメートル基準のSI単位系への移行を推し進めていたが、火星探査機が設計の単位間違いで宇宙のゴミと消えたとか、色々と難しいことが起こり 沙汰止みになってしまった。なじんだものを切り替えるのは容易ではない、それが人間らしい一面でもあるようで、生々しくもある。
| 固定リンク
« 銚子のカモメ | トップページ | 雪雨判定の簡便式 »
コメント