ほたる
ほたるがまた見たくてむっとするような晴れた日の夜出かけた、先週のはじめのことである。遠くまで行くには思いついたのが遅くて、近くの宇都宮美術館裏の小川に行くことにした。たどり着くとライトを消したクルマが2台いる、しかし誰も歩いていない。不思議な感じでこれは怪しいアベックかといぶかりながらとにかくこちらはクルマを降りて川をゆっくり下る。4匹くらいが離れて光を放っている。一応いる、という感じで動きも緩慢で今ひとつだ。なんだか蚊が多いし草の背がいつもの年より高い、手入れがされていないように思える、里山は手入れが要だ。失業率は高くてもこんな手は足りないようだ。車の近くへ戻るとむしろここらが多い、これはクルマに乗ったまま見るのがうまい、とそこで気づく。割りに狭い範囲に別の4匹が居て飛び回っている。車の中でもよく見える。しばらく静かに見入ってしまう。
ほたるを見るのも行事化してしまって動機にマンネリなところが見えてきて 出かけるのにためらいもあったが見に行くと毎年違う。一回限りのものだ。
鳥や虫を見ることにひきつけられるのは一回限りの邂逅を毎回感じさせてくれるからだろうか。生きていくのは一回限りだ、そのことを確認したくて毎回出かけるのかもしれない。
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