鳥を見るのもほどほどにして
一月ほど前ネットのニュースをぱらぱら見ていたら、北米で携帯電話の通信塔にツメナガホオジロの大群が衝突して一万羽死んだ話 が出ていた、ちょっとビックリした。ツメナガホオジロといえば日本では珍しい鳥だ、それが一万羽も死ぬというのは誤訳ではないかと元の記事を探してやっと見つけた原文を読んでみると確かにdeaths of 10,000 Lapland Longspurs.(ツメナガホオジロ)と書いてある、本当らしい。渡りをする鳥で日本で珍しいというのはローカルな話で、いるところには唖然とするくらいいるようだ。日本で珍しい鳥といって追いかける様がむなしくなる。
珍しい鳥を追いかけているわけでもないが近頃はバードウオッチングで散策にでかけることが多くなって少し山登りから遠ざかっている。時々軽く登ってないと体が動かなくなるような恐れを抱いていて、慎重に気象を読んで日曜の午前に赤薙山に登ることにした、とにかく午前の終りまでにキスゲ平リフト終点まで戻らないと雷がかなり怪しい。赤薙山は女峰へ至る稜線の一ピークのように見えて内心馬鹿にしていたが一応2000mを越える山で体を慣らすにはちょうどいいと気がついて登ることにしてみた。朝始発のリフトで上がって登り始めるが予想通り雲の発達が早い、左手の鳴沢の谷から次々に湧き上がってくる、稜線の西風が強いうちは霧降の東側に雲が発達することになるのでやや安心だが時折風が弱まりむっとする時があると真上に雲が発達しているように見えこれはやばくなったか、と先を急ぐ。山は高山植物の咲き競う時期で、ガスがかかっても見るものにはことかかない。コメツツジの小さな花、ヒメシャジン、コバギボウシ、ニッコウキスゲ、アカバナシモツケソウ、ホソバコゴメグサ、その他種類が多い。 頂上への道を左にとって急なのぼりを詰めると見晴らしの良くない頂上に着く、ともかく一休みして直ぐに下る。休憩しながらおにぎりを少しずつ食べて、胃腸も負担を軽くするよう気を使いながら降りる、身体ストレスが胃腸にきやすい体質を最近特に感じている。予定通り12時少し前にリフト終点までたどり着き、1本リフトで下って後は歩くが、リフトを降りた頃から急に大粒の雨が降り出す、これも予定通りだ、雷がゴロゴロといいだす頃にはかなり下までおりていて何とか難は逃れたが雨具を付けても辛くなるくらいの豪雨だ。
近場の山だが、雷を気にして雲を読みながら登る、いいトレーニングだ、少し体がなれてきた。山に登りたくなるのは他に丁度良く体を動かすやり方がないからではないか、そんな風に単純に思っている、鳥を見るのもほどほどにしてまた登るか。
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