またイランで航空事故
またイランで航空事故だ、今度は7月24 日アリア航空のIl-62Mがイ ラン北東部の都市Mashhadで着陸失敗、オーバーランして壁に激突した。ついこの間7月15日にカスピアン航空のTu-154Mがテヘラン北方で巡航中に墜落したばかりだ。この立て続けてのイランの事故はどうしてもイランへの禁輸政策の影響を考えざるを得ない。イランは米国からテロ支援国家として指定され旅客機を西欧から買うことが出来ない、部品も買えない、古いソ連製の機体を使い続けるしかない、安全のレベルは毎年下がっていきいつかは破綻する。Tu-154Mは22年使った機体だしIl-62Mは恐らくもっと古い機体だろう。カザフスタンからのリース機で乗員もカザフスタン人が多かったらしい、航空需要はあるが機体がないというイランの状況を如実に表している。イランは石油産出国で資金を持っているから最新のボーイングやエアバスの機体を買えない訳がない、ここまで締め付けてよいのだろうかと思ってしまう、敵意を醸成しているだけではないのか。国連の言うことを聞かないイスラエルには制裁はなく占領地に移住を続けている、国境線の武力による変更は認められていないにも関わらずだ。明らかなイスラエル偏重の米国の政策が世界を歪めている。
トーマスフリードマンの「グリーン革命」を読んでいるが、同じ作者の「フラット化する世界」ほど迫力がない。イスラムに原油を牛耳られており巨額の富がイスラム国家に流れていることがテロが勢いづいている源だ、だから脱石油が必要なんだと滔々と説うている、これはおかしい。アメリカのやっていることに反省はないのか、と思ってしまう、加害者としての自覚がない、被害者意識が漂っている。中東は西欧の力でどうにでもなるという意識がアラビアのロレンス時代のイギリスによる詐欺的な外交や パレスチナ人を追い払っての強引なイスラエル建国に見えてしまう。辺境の北方4島が占領されて60年たってもロシアと日本がいがみ合っていることを思えば強引なイスラエルの建国はどれほど不快な傷を中東諸国に与えたのだろうか、パレスチナはナチスによるユダヤ迫害とは何のかかわりもないというのに。フリードマンがユダヤ系であることが見方を歪めているのかもしれない、ジャーナリストならもっと事態の根源に迫らなくてはならないように思えてしまう。イスラエル偏重の米国の姿勢の歪みがテロに正当性を与え不幸を連鎖的に引き起こしているように見えてしまう。なんとか不幸のチェーンを絶つべきなのだが少々のことでは先は見えてこない、気の遠くなるくらいの時間が必要なのだろう。
今年は航空機事故が続く、それぞれの事故が地政学的背景を抱いていて深いものがあるようだ。航空事故からは学ぶところが多い。
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