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2009年7月 8日 (水)

焼尻にて

梅雨真っ盛りの6月の終りに鳥を見に天売を訪れた。小さい島だ、2日ほどいて天売島も大分あちこち見たので隣の焼尻島へ日帰りで行くことにした。焼尻の港について土産物屋の女店主と話をしていると、天売のみやげは大方焼尻から出していYagisir る、だの 天売に泊まって焼尻に遊びに来るとはめずらしい、だの一々引っかかることを言う、随分と競争心があるようだ。確かに似たくらいの大きさの隣島だ、何かと比較してしまう。お店や町の形は天売の方がいくらか整っているように見えるが野鳥については天売も焼尻も地元の人は関心が薄い。これはここに限らずどこへ行っても変わらない、とりわけ焼尻は薄いようで、やたらノゴマが啼いているというのに話しても通じない。やっぱりバードウォッチングは都会の住民の遊びだ、土地の人は鳥を見てどうするんだ、という風だ。客寄せに 焼尻にはいると思えないオロロンチョウ(ウミガラス)の大きな像が港に造ってあるのがいかにも上滑りしているようで滑稽でもある。
港の裏手から直ぐに原生林に入れて歩くのに丁度いい、散策路はしっかりしている。ノゴマやカラ類やコムクドリなどが出てくるしアリスイの声もする、しかし鳥の声の録音には向かない、港の船の400hzくらいまで及ぶエンジン音や汽笛やアナウンスのようなものが聞こえてくる、そのうち上空にはヘリが飛んでくる、自衛隊の訓練のようだ、飛行コースがこの辺りにあるのだろう。とにかく録音したが帰ってからが大変だ、色々いじってみたが結局ノイズ除去は無理とあきらめた。ちょっと騒々しい島だ。
Tutud 原生林を暫く歩くと草原に出る。広い牧場になっていて景観の変化は天売より面白い。こんなところにツツドリが2-3羽姿を現したりする、ツツドリは深山で声を聞くだけと思っていたから新鮮だ、北海道の鳥の動きはよくわからない。海風をまともに受けるアメダスポイントを見たり次々に出てくるノゴマを眺めながら海岸沿いを歩いて港に戻る。
北海道の島旅は違った風景を見せてくれる、ただの自然というよりあちこちで人の手を感じる、必死さを感じる。冬の間吹雪に吹きこめられた島でのサバイバルな生き方に思いが至ると人の手が入るのは当然なんだろうと納得する、その辛さを感じてしまうというわけでもないが、やはり道東の湿原や海岸を歩く方がなんだか気楽だ。沖縄の島と違って北海道の島はどこか重いところがある。

しかしともかく梅雨場は北海道に限る。

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