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2009年10月29日 (木)

ジョウビタキが現れて

もう先週の水曜日のことになるが、会社の駐車場でクルマを降りると鋭いキッキッという声がする、どうやらジョウビタキが現れたようだ、それにしても木の葉がまだたくさん残っていJyobi る時期で早い、木の葉で姿が良く見えない、がどうみてもジョウビタキの声だ。自宅の庭にも来ていそうだがまだ家では声は聞かないな、と思っていると日曜日に現れた。去年は11月6日が宇都宮の自宅で初めて現れた日だから今年の10月21日または25日はどちらにしろ随分早い。温暖化とはなんだか逆行しているが、台風の影響もあるのだろう、今年は冬鳥の到来が全体に早いのかもしれない。
会社に現れたジョウビタキは居心地がいいのかまだ滞在して鮮やかな姿を見せて鋭く鳴いている、家に現れた方はもはやどこかへいってしまった。
もう冬はそこまで来ているようだ。

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2009年10月28日 (水)

時間は浪費されてしまう

日が暮れるのが随分早くなった。この頃は、ほぼ1日1分の割合で日暮れは早くなるし日の出は遅くなる。日暮れの最も早いのは12月10日頃で、後一月半くらいしかない、ひたひたと暗闇が広がってくる。

このところ早朝は気象を見ている、気象庁の予測計算のgrib2.bin詳細データをダウンロードして、欲しい場所ごとに高層まで含めた断面図をエクセルで各種描かせて気象の予測に使っている。断面図は便利だ、これまで入手していた3日先(84時間)までばかりでなく行動の計画に有用な一週間先まで使えるデータがあればと探していると1週間分に相当する192時間予測データというのも毎日1回朝一番にはリリースさZu れていることを見つけた、やはりあるものだ。GMTのソフトを少しいじってこれを切り出し 同じような断面図を描かせることが最近やっと出来るようになった。久しぶりに、やった、という感じだ。パブリックで入手できるデータを使うので解説書があるわけでもなく全部が手探り作業だ。しかし一旦出来ると週間予報の出方の変化がよく解ってくる、大体が1週間先までは計算は安定しない、毎日変わってくる、やはり固まってくるのは3日前くらいだ。欧州や米国の計算も似たような傾向があり気象庁が非力というわけでもない、恐らく観測データのばらつきや誤差が先の予測の変動を引き起こしがちになるのだろう。むしろこんな計算に使えるまで世界中のデータが刻々と集められるものだという方に驚きがある。未来が刻銘に予測できたとしたらそのほうが気味が悪くなる。
気象のデータはパブリックに得られるものが多くて朝早くからパソコンに描かせた地上の風の流れや気象の予測図を作ったり見たりしていると直ぐに時間がたってしまう、次第に出来ることが増えてくると一層時間が無くなる。なんとなく貴重な時間を無駄に計算に費やしている感じがしなくも無い。
こんな風に生きている間に使える時間は浪費されてしまうのだろう、そうであってもいいような気がしている、ともかく自分のものだから。

冬は暗闇が広がっていくがその分自分の内的時間が増えていくようでそれはそれで楽しくもある。

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2009年10月25日 (日)

今年の紅葉

今年の奥日光の紅Odasir葉はどんなだろうと出かけた、土曜日は雲がかかりそうで紅葉見には今ひとつの天気予想だったが他に日も無い。朝起きると案じていた通り高い雲が覆っている、紅葉は天気も含めて見頃は年に1-2日と思ってはいたが今年はどうやら外したようだ。しかしそれも自然のなす技だ、曇りの青白い光線での紅葉も見てやらねば、と思い直して 殺到する県外ナンバーをかき分けながらクルマを走らす。

頑張ったかいがあったか赤沼駐車場は思いの外空きがある、午前6時30分のバスで赤沼から小田代へとにかく向かう。いつもなら朝の小田代はカメラがずらりと並ぶが 曇りではカメラの放列も殆ど無い、現金なものだ、地をはう朝もやもなければ斜めからカラマツ林を輝かせる朝の光線もない、恐ろしく日常的なたたずまいがあるだけだ。でも綺麗な眺めだ、こんな日は小田代の草紅葉がいい、どうみても尾瀬や戦場ヶ原の草紅葉よりおもしろい。ゆっくり時間を使いたくなってスケッチを始める。自然と正面から向き合うと間が持たなくなってい くように感じる時には 下手でも何でも あり様を手を動かして見つめるに限る。それにしても強い線が無い風景だ、山の端さえも稜線のまばらな林がけば立たせているように見えてぼけている。写真を何枚か撮るが 迫る尾根と草原の色つきの全体の印象がどうやっても撮れない、とにかく見るしかない、写真は後で記憶を呼び起こすトリガーでしかないとあきらめる、写し取られたものとそのものは別物でしかない。
歩いて戻ると林にMomijiは20羽くらいのアトリの群れやエナガの群れが乱れ飛ぶ、ジョウビタキやゴジュウカラや、訪れ始めた冬鳥も加わって小鳥の動きがにぎやかだ、湯川の水面に浮かぶカラマツの落ち葉も面白い。曇りの条件を差し引いても、確かに今年の紅葉は良くない、カエデがちじれて茶色く丸まっていたりして鮮やかな赤が少ない、しかし空気は心地よい秋そのもので満ち満ちている。

あと何回この秋をすごせるのだろうか、そんなことをぼんやり思っていた。
目の前のもの全てがどうしようもなくいとおしい。

明日は雨か。

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2009年10月21日 (水)

梅花皮

飯豊山山麓をネット調べていたら梅花皮小屋や梅花皮岳とやたらと梅花皮という文字が出てきてひっかかる、なんと読むのか、これもネットで探すと「かいらぎ」と読むようだ。梅花皮というのは当て字で本来は「鰄」という見たことのない字が使われるようで、東南アジア産のカイラギザメとよばれるエイ(イバラエイUrogymnus asperrimusー写真はWikipediaより800pxurogymnus_asperrimus  )の皮のことを指し、刀の鞘の装飾に用いられているらしい。なんでこんな山の中にカイラギが登場するのか、また調べる。と、ウグイのつもりで江戸時代に鰄と誤記されたのが発端という説にいきあたる、能代にも鰄という地名が幾つかあっていずれもウグイが良く集まる場所だという。他にも、カイラギの模様に似た沢としてカイラギ沢と名付けたのが始まりという説もある、両方なのかもしれない。

梅花皮の文字は陶芸でも登場している、これは鰄の模様の感じを釉で出すという技法で1000に3つくらいしかうまくできないという高度な技らしい。千利休あたりの時代に端を発するようだ。

幾つかの記述を追っていくと、武家文化の一端として「かいらぎ」が語られているように思えてくる、カイラギで飾った刀を抑制された自慢で語る侍の姿がほのかに見えて楽しくもある。

それにしても調べるということが本当に た易い時代になった、本だけでこんなことを調べようとすると数日の単位で時間が費やされるだろう、数日では辿り着けないかもしれない。しかし何かを失っている、厚い本の香りや本の索引から別の本を手繰っていくなんともいえない面倒くささと知的刺激がすらすらとした検索クリックに代わってしまっている。図書館で調べ物をすることが殆ど無くなり、本の世界の作りなすミクロコモスが次第にかすれてきているようにも思える、どうしようもないことなのだろう。このまま何処へ向かうのだろう。考えていくと クリックの世界にはそのうち人間は飽きてしまうだろう、ネットの先にはまたこのミクロコモスが待ち構えているような予感がする、こぼれ落ちたものがデジタルでは決して再製できないものと気づいた時にはまた戻ることになるのではないのだろうか。CDの先には進化したレコード盤が再び待っているかもしれない。

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2009年10月12日 (月)

伊良湖岬でタカの渡りを見る

タカの渡りは伊良湖岬というのが定番のようにいわれている、そのまま受け入れるのもちょっと癪なところもあるが評判になるところにはそれなりの理由がある、一度は行かねばと思っていた。宇都宮から走って行くのでは少々距離があってお金もかかるし時間も取られるが高速が1000円になって10月初めの連休なら行けそうに思えて出かけることにした。気になる宿はリゾートホテルの伊良湖ビューホテルがいかにも優雅でよさそうだ、しかし思い立った2週間前では満杯で、とりあえずもっと浜に近い堅実な宿を取っておいた、あきらめずにネットでチェックしていたら5日前になって台風の影響かビューホテルの割安な料金プランにキャンセルが出た、これこれとばかりに切り替えて出発する。

宇都宮からは460kmくらいあってちょっとした距離だ。あまり早朝というのもしんどいんで5時50分頃出発する、首都高は7時頃に通過となったが恐れていたとおりの厳しい渋滞だ、ナビの標準時間計算より1時間半遅れでやっと厚木インターあたりまでたどり着く、やはり休日でも6時に首都高通過の計画でないとロスが大きい。あとは快調に進み浜松インターで降りて海岸沿いの下道を走る、渥美半島入り口までは大半が制限速度80kmの無料の高速道路で走るのが気持ちがいい、帰りは豊川インターから乗ったが豊橋市街地通過が時間がかかり、浜松でKoijighm2 下りたのが時間的にも正解だったように思う。

伊良湖岬の恋路が浜駐車場についたのが午後2時くらい、渋滞・昼食・休憩をみて2時までには着きたいと思っていたが予想通りだ。ほぼ満車だが一応駐車できる、駐車場のそこここに三脚の列だ。よく見るとスコープというより殆どが大望遠付デジ一眼を三脚に乗せている、白樺峠でよく見た双眼鏡スタイルのスコープは1つ位だ、観察するというよりどうも写真を撮ることが大きな目的になっているように思える、デジ1眼の隆盛からこうなるのはどうしようもないのだろう。それにしても一応名の通った観光地だけにタカ見が駐車場を占領するのはちょっと引っかかる感じもする、一般の人はギョッとするようだ、白樺峠とは訳が違う。

この日はノスリ、サシバ、それにミサゴなんかを見る、トビも多い、西風が7-8mくらいの感じで結構強く 渡るには向かい風だが岬の小山の上に出来る斜面上昇風を捕まえて高度を稼いでいる、確かに海Koigahm を渡る出発点としては上昇風の利用がしやすい地形のようだ、勿論東風でも東側斜面で上がれる、この感じは来て見ないとわからない。サシバはあまり出ないこともあり適当に切り上げて、岬の灯台へ散策に行く、サシバのこの日のカウントは1400くらいと聞いてやはり午前がピークのようだ。
丘の上のビューホテルは予想以上の良さで、部屋や設備がいいのは勿論、海に落ちる夕 日を眺めての風呂もなかなかのものがある、ここの屋上でタカ見とはこれは優雅だ。夜は満天の星だ、ホテルの明かりが明るいが、視野を遮るものの無い全面ガラスの部屋の窓越しにスコープで心行くまで天の川の星の海を見ることが出来る、こんなことは初めてだ、星を見るのは寒い夜空と相場が決まっている。タカ見でなくとも十二分に楽しめるホテルだ。タカ見の客は少Asahi3数派で日曜日は2組結婚式も行われるなどいかにもリゾートホテルなのが、普通の感じがしてまた良くもある。

翌日は良く晴れて風も弱い、海からの日の出を屋上から眺める、なかなか素晴らしい、水平線に雲が漂っているのが南洋の雰囲気を感じさせていい、そのまま鳥見の体制に入るのだが、屋上が三脚で埋まるわけでは全く無くてぱらぱらと見ている位だから普通の泊り客の邪魔をするわけでもない、見ている感じもどこか優雅だ。間に朝食をホテルでリッチに取ってまた続ける。ハチクマが次々に現れる、そのうち9時ころホテル直上にサシバのタカ柱ができる、タカ柱を真下から覗き見、そしてサシバが上昇トップに達したところで西に向かって渡りに次々と出発するという一部始終を見ることになる、なかなかの経験だ、白樺峠Sasbaq10 よりどちらかというと間近で、確かにタカの渡りの観察にも写真に撮るにも良いところだ。ツミという声もどこかで上がるが、見てもそうかなーと自信が湧かなかったりしてサシバ、ノスリ、ハチクマ以外の判定は難しいところがある。

タカは渥美半島の小山の連なりで上昇風をひろいながら近づいてきて岬付近でタカ柱をつくる。海側をきたり山側を来たり風によって変わるがともかくホテルで待っているとそばを通る。あきない。見ているとアサギマダラも屋上辺りに上がってくる、風を見てエイッと渡るのだろう、蝶の渡りは本Hchkm8当に風が勝負となるに違いない。チェックアウトした後は趣向を変えてホテルの駐車場から見上げる、チェックアウト後も屋上で見るのは勿論ホテルも了解しているのだが、機材を運びなおすのが億劫だし、駐車場もかなり眺めが良い。駐車場のヘリにもぱらぱらと三脚が並んでいる。

昼ごろには大体終りかなという雰囲気が漂い、帰路に向かうことにする、帰り着くのがあまり遅くなるのもつらい。帰り道、汐川干潟というのがあるはずと緑ヶ浜公園という所に寄ってみるが汐のタイミングが悪いのかカワウやカモメが遠くに見えるくらいで干潟という感じも無い、多分満ち潮のせいだろう、もっといいポイントもありそうだが良く調べて来なかったのと時間も無いので早々に引き上げる。渥美半島そのものが明るくてリゾートの雰囲気があってゆったり過ごすに良さそうな所とばかり感じて、どうも鳥をガツガツ追うという雰囲気とは合わない感じがする。
東名の、事故を横目の35キロの渋滞にうんざりしながら途中で食事を昼夜と2回とって、9時頃に自宅にたどり着く。少々疲れた、しかしちょっと無理して出かけるに十二分に応えてくれる場所だった。行って見なければ解らない。

タカの渡りを見ているとグライダーでソアリングする感覚がどうしても思い起こされる、自分で飛ぶような気持ちになってくる、タカが上がりのいい上昇風を捉えた時にはヤッタネと言ってやりたくなる、渡りの季節になるとタカを見たくなるのは、もう殆ど飛べなくなった今の有様の埋め合わせなのかもしれない、そんな風にも思っている。

秋もそろそろ終盤に入ろうとしているようだ。

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2009年10月 9日 (金)

台風がくると

台風がくると構えなくてはと思うがどこかわくわくするところがある。その非日常の魅力に惹かれるのは不謹慎09100804な様で後ろめたさがあって人に言うのはためらわれるがサイエンスっぽくみても面白い。昨日の朝の18号T0918は身近であっただけに興味が湧いてくる挙動がいくつかあった。とり わけ興味深いのはは風だ。台風が伊勢付近にあったときもう一つの雲の塊が関東に出来ていた、台風回りの左回りの風による強烈な南風と東北から台風に吸い寄せられて山脈沿いに降りてくる北風が関東平野でもろにぶつかり明瞭な前線と活発な積乱雲を生んでいたのだ、こんな挙動となるとは知らなかった。この前線が宇都宮を通過する様はGPV数値解析にも予測されておらず、このため予測に反し早朝は宇都宮は気温が低かった。龍ヶ崎付近で竜巻が幾つか起こったのもこの収束する前線上のことだった。気圧の動きは推定されたとおりだったが、風については前線近くではむしろ弱く東京横浜あたりTenki2が始終強い、宇都宮では早朝の強風以降は台風が接近してきて気圧が下がって いるにもかかわらず穏やかな様子へと落ち着いていった、こんなことがあるんだ。風の影響が卓越する台風は地形の影響が強いようだ。
台風が行ってしまうとまた秋が深まる。次の台風の卵-熱低がもう現れた、なにかステップを切るように今年の冬は近づいてきているようだ。しかし何はともあれ台風一過の週末の晴天がうれしい、タカは渡ってくれるだろうか。

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2009年10月 4日 (日)

オオタカとカラス

秋も次第に深まってきてサシバやハチクマも大分南に飛び去っているだろう、関東平野のどこかを通過していると思いながらまだどのルートかわからない、市貝の観音山あたりに出かけてみるが いまだにしかとは見つけられない。
昼から雲が晴れてきたので鬼怒川の辺りに出かけてのんびりしていると突然対岸のカラスの群れに騒ぎが起こった、ガーガーいっている、50羽くらいいるハシボソガラスの群れのようだ、みると1羽のカラスがタカに襲われて捕獲されている、タカは両足でしっかりとカOotkars ラスを押さえつけ突っついている、まだつかまえられたカラスは暴れていて、それを見た仲間のカラスが低空で飛行しながらタカを威嚇している、が 飛びかかろうとまではしない、やはりタカは怖いのだろうか、スコープでみると茶色のタカでどうやらオオタカの若鳥のようだ。それにしても群れのカラスを襲うとは勇気あるように見える、カラスに追われるオオタカというのが良く見る光景だ。次第に餌食となったカラスが弱ってくると仲間のカラスの威嚇も遠巻きになってくる、これをみながらオオタカは弱ってきた餌食のカラスを引 Otakarasu1_2 きずってかわらの中央から茂みに向かってじりっと寄せる、そしてまた痛めつける、群れのカラスはもはやあきらめたようで更に遠くで見守る、ややあって様子を見てタカはサッと捕らえたカラスごと茂みに入り込む、むき出しの河原から安全な茂みに入ってゆっくり食事に入ったようだ、群れのカラスはもうすっかりあきらめて、しだいにどこかへばらけてしまった。なかなかのドラマだ。静かになった河原は何事も無かったようにセキレイの声が響き、トビがゆっくり現れて穏やかな午後がまた続いていく。
渡って行くタカはもう次々に旅立って、残されたタカは狩を必死に続ける。そのきらめきに命を感じさせられながら秋はひたすらに深まっていく。

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