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2009年10月25日 (日)

今年の紅葉

今年の奥日光の紅Odasir葉はどんなだろうと出かけた、土曜日は雲がかかりそうで紅葉見には今ひとつの天気予想だったが他に日も無い。朝起きると案じていた通り高い雲が覆っている、紅葉は天気も含めて見頃は年に1-2日と思ってはいたが今年はどうやら外したようだ。しかしそれも自然のなす技だ、曇りの青白い光線での紅葉も見てやらねば、と思い直して 殺到する県外ナンバーをかき分けながらクルマを走らす。

頑張ったかいがあったか赤沼駐車場は思いの外空きがある、午前6時30分のバスで赤沼から小田代へとにかく向かう。いつもなら朝の小田代はカメラがずらりと並ぶが 曇りではカメラの放列も殆ど無い、現金なものだ、地をはう朝もやもなければ斜めからカラマツ林を輝かせる朝の光線もない、恐ろしく日常的なたたずまいがあるだけだ。でも綺麗な眺めだ、こんな日は小田代の草紅葉がいい、どうみても尾瀬や戦場ヶ原の草紅葉よりおもしろい。ゆっくり時間を使いたくなってスケッチを始める。自然と正面から向き合うと間が持たなくなってい くように感じる時には 下手でも何でも あり様を手を動かして見つめるに限る。それにしても強い線が無い風景だ、山の端さえも稜線のまばらな林がけば立たせているように見えてぼけている。写真を何枚か撮るが 迫る尾根と草原の色つきの全体の印象がどうやっても撮れない、とにかく見るしかない、写真は後で記憶を呼び起こすトリガーでしかないとあきらめる、写し取られたものとそのものは別物でしかない。
歩いて戻ると林にMomijiは20羽くらいのアトリの群れやエナガの群れが乱れ飛ぶ、ジョウビタキやゴジュウカラや、訪れ始めた冬鳥も加わって小鳥の動きがにぎやかだ、湯川の水面に浮かぶカラマツの落ち葉も面白い。曇りの条件を差し引いても、確かに今年の紅葉は良くない、カエデがちじれて茶色く丸まっていたりして鮮やかな赤が少ない、しかし空気は心地よい秋そのもので満ち満ちている。

あと何回この秋をすごせるのだろうか、そんなことをぼんやり思っていた。
目の前のもの全てがどうしようもなくいとおしい。

明日は雨か。

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