« 伊良湖岬でタカの渡りを見る | トップページ | 今年の紅葉 »

2009年10月21日 (水)

梅花皮

飯豊山山麓をネット調べていたら梅花皮小屋や梅花皮岳とやたらと梅花皮という文字が出てきてひっかかる、なんと読むのか、これもネットで探すと「かいらぎ」と読むようだ。梅花皮というのは当て字で本来は「鰄」という見たことのない字が使われるようで、東南アジア産のカイラギザメとよばれるエイ(イバラエイUrogymnus asperrimusー写真はWikipediaより800pxurogymnus_asperrimus  )の皮のことを指し、刀の鞘の装飾に用いられているらしい。なんでこんな山の中にカイラギが登場するのか、また調べる。と、ウグイのつもりで江戸時代に鰄と誤記されたのが発端という説にいきあたる、能代にも鰄という地名が幾つかあっていずれもウグイが良く集まる場所だという。他にも、カイラギの模様に似た沢としてカイラギ沢と名付けたのが始まりという説もある、両方なのかもしれない。

梅花皮の文字は陶芸でも登場している、これは鰄の模様の感じを釉で出すという技法で1000に3つくらいしかうまくできないという高度な技らしい。千利休あたりの時代に端を発するようだ。

幾つかの記述を追っていくと、武家文化の一端として「かいらぎ」が語られているように思えてくる、カイラギで飾った刀を抑制された自慢で語る侍の姿がほのかに見えて楽しくもある。

それにしても調べるということが本当に た易い時代になった、本だけでこんなことを調べようとすると数日の単位で時間が費やされるだろう、数日では辿り着けないかもしれない。しかし何かを失っている、厚い本の香りや本の索引から別の本を手繰っていくなんともいえない面倒くささと知的刺激がすらすらとした検索クリックに代わってしまっている。図書館で調べ物をすることが殆ど無くなり、本の世界の作りなすミクロコモスが次第にかすれてきているようにも思える、どうしようもないことなのだろう。このまま何処へ向かうのだろう。考えていくと クリックの世界にはそのうち人間は飽きてしまうだろう、ネットの先にはまたこのミクロコモスが待ち構えているような予感がする、こぼれ落ちたものがデジタルでは決して再製できないものと気づいた時にはまた戻ることになるのではないのだろうか。CDの先には進化したレコード盤が再び待っているかもしれない。

|

« 伊良湖岬でタカの渡りを見る | トップページ | 今年の紅葉 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 伊良湖岬でタカの渡りを見る | トップページ | 今年の紅葉 »