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2009年12月 9日 (水)

蕪栗沼・伊豆沼の眺めが

12月の初めの週末、マガンの群れを見に蕪栗沼・伊豆沼に出かけた。これで3回目になるが、高速1000円ならあの空を埋める圧倒的光景を見ないのは損な気がしていた。高速を長者原で降りて化女沼を少しばかり見るが風が弱いと猛禽類は出そうに無い、早々に蕪栗沼に向かう。いつもの北側の駐車場に停めてプレハブで様子を聞くと11月にはマガンが7万羽いたが今は5万羽に減っている、秋田のほうへ行っているようだ、という。5万羽でもすごいと、日暮れ前の沼の様子や、今まで行ってなかった南側の駐車場からのアプローチを試したりして日暮れを待つ。雲が低く 予測では16時前に降り始める雨模様だった、強い南風との予想とは違い風は殆ど無い、土手の上から見ることにする。ほぼ予想通りに16時少し前から小雨が降り始める、こんな時には当たってほしくないが雨のねぐら入りも少しばかり興味がある。マガンは雲が厚くて暗いためか日没の1時間近く前からぱらぱらと戻り始めている、日没は16時16分のはずだが15時50分頃から主に西側の空が無数のマガンで埋められる、東南側からは(去年より更に)少ない、化女沼にでも行っているのだろうか、雨のせいではなさそうだ、雨そのものはあまり影響を与えていないように見える。ガガッガガッという高周波の音を含むマガンの鳴き声が辺りの空気を震わす。なんだか心が落ち着く風景だ。雨ではビデオや写真や録音の電子機器は使えずただカッパを着て佇むだけだが悪くない。体で感じればそれで十分だ。
宿は瀬峰の駅前旅館とした なんだか普通の家に泊めてもらっている雰囲気の宿だ、大正時代からの宿だという、昔からこうなのだろう、部屋は新しく変えているが今の世の中には置いていかれたようなところがあってこれでは苦しいか、と思ってしまう。時間の流れが現実に場所によって違っているようでそれも面白い。
Imgp9432翌朝の飛び立ちは、雨が上がったこともあり、なかなかの壮観だ、確かに 数が多い、何波にも分けて群れが飛び立つ、霧がかかって少しかすんだところもいいし、残月に雁が飛び交う様は絵になる感じだ。何度見ても圧倒的だ。(蕪栗沼、マガンの飛び立ち、YouTube);去年と同じで近くの東北線の電車が通るとこれをきっかけに飛び立っており、日の出が遅くなっているにもかかわらず昨年と同じ時刻に飛び立ってImgp9430 いるようだ、やはり人の生活と結びついた里山だ。
昼間は伊豆沼の周りを鳥を求めて動き回る、それにしても昼間のマガンはもう沼の周りの田には居ない、昨年11月の時に見られた場所には一羽も居ない、サンクチュアリセンタの話では餌を食べつくしてもっと遠くの田に行っているらしいが探せども見つけたのは30羽くらいの群れのみで大群はついに発見できなかった、大量すぎるとまた動きが違ってくるようMagan だ。同じ様にみえる渡りも毎年毎年違った様態を見せる、自在に変化できるところが恐竜時代から生き残れた鳥類の真骨頂なのだろう、人間も国境を挟んで固定化した生き方を続けていくようでは長くは持ちこたえられないかもしれない、国境なんて早く取り払わないと、と思う。地球はそんなに甘くは無いだろう。蕪栗沼・伊豆沼の眺めはいつも色々考えさせてくれる。

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