ダークマター
また雪が降っている、菜種梅雨の魁となる前線が横たわっていてこれに北風が吹き込んで雪を降らしている。上空に逆転層があって結晶のある雪ではなくて雨が落ちてくる途中で凍ったようなシャーベット状の雪が降っている。春の前触れのような雪だ。
雪空では無理だが少し前までは良く晴れた夜空が続いていた。日が暮れてくるとこの時期東南の空にシリウスが上ってくる、やや遅れて更に左手から火星が昇ってくる、青白い光とオレンジの光が寒空に親しみを与えてくれている。火星とシリウスの中間にプロキオンも見える、オリオンのベテルギウスとで冬の大三角となるのだが”大”というのはちと大げさだ、でも冬らしい夜空だ。
寒い夜空に星を見る気になったの晴れた星空の美しさばかりのためではない、年末に手に入れたDSソフトの星空ナビで今見えている星の名前が解るようになったからでもある。ソフトといっても中にジャイロが仕込まれていてDSを向けている方向が解るようになっている。昔ながらの星座早見板は暗闇で使うには明かりがいるし明かりをつけては星は見難いという本質的な問題があって旨く使えなかった、これなら使える、ただ難点は向けた夜空を示すしかけから上向けて使わねばならず手が疲れる点にある。でもとにかく夜空が解る。なかなかだ。解ることで世界が次第に開けてくる、解る事がキーワードだ。しかし寒い、この時期せいぜい15分が限界だ。
夜空といえば最近ダークマターというのが気になっている。宇宙論というのは難解なイメージが強くて暫くはのぞいてみる事も無かったがそろそろ先が見えてきたかと少し調べると ここ10数年ほどの間に発見と理論の進歩があったようだ。宇宙を構成する要素で我々が認知できる原子による部分は僅か5%しかなく のこり95%は観測できないダークマターとダークエネルギー
で成り立っているらしいということが解ってきたようだ。ダークというからスターウオーズにでも出てきそうな怪しげな理論かと思っていたらどうやら今は本流のようにみえる。要するに宇宙のことは何もわかっていないに等しいということが解ってきたということらしい。未知の 原子で無い物質 というと質量のある発見できていない粒子が多量にあるということだろうか良くわからない、ダークマターを何とか直接観測しようという試みも神岡の地下で始められる、まだまだ先が長い気がするし本当はダークマターもダークエネルギーも無いのかもしれない。19世紀末のエーテルのようにその非存在が証明されて新しい物理学を生む可能性だってあるようにも思っている。しかし宇宙の成り立ちは理解したい、まやかしのような宗教的説明ではない現実を理解したい。解ってどうするということではなくて、解ることそのものが大事だ。
雪空も来週には晴れてこよう、夜空を見ているとダークマターにあふれているいないに関わらず 宇宙の中に漂っているという現実を今更のように認識させられて、それが新鮮な目を与えてくれるようだ。
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