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2010年3月11日 (木)

松本空港でのミスが

松本空港で気象データの入力ミス、あわや大事故に というネット・ニュースの見出しが引っかかって、気になって少し調Sasiba べた。3月7日のニュースだが起こったのは2月12日のことだ。朝方の寒さで空港の自動観測用の温度計器が凍って自動計測ができなくなり、航空機向けの気象データを人の手で入力していたら気圧の入力をミスしてしまった、これを受けた進入中の旅客機の高度表示がおかしくなり着陸をやり直した というトラブルだ。航空機向けというからMETARデータ(定時飛行場実況気象通報)のことだろうとhistric metar のサイトhttp://english.wunderground.com/history/airport/rjaf/2010/2/12/DailyHistory.html?req_city=NA&req_state=NA&req_statename=NA&MR=1で当日の松本空港から出されたデータを調べてみると確かにおかしなデータが残っている。9時の気圧値(QNH)は1014hpだが10時は999hpに10時15分は937hpになっている、こんなに急に気圧が変わることはない、これはおかしい、正しくはいずれも1014のままとすべきだったのだろう、現地気圧計測値をQNH(海面上相当の気圧)に変換すべきところ 計算が間違ったか変換せずにそのまま入れたらしい、松本空港は標高が668mと高く、現地気圧は凡そ935hpくらいとなる。着陸進 Altimeter2入中の機体の高度計表示は正しい値と120mくらい高度が違ったというから、高度計に1014とセットすべきところを着陸機は示された999を使ったのだろう,937では違いすぎる。QNHは滑走路高度が気圧高度計と一致するよう海面上高度に相当する基準の気圧を入力して得られる高度表示で、航空機のパイロットは到着飛行場のその時の海面上高度に相当する値を管制経由かATISで取得して高度計にセットする。空港の気象担当はMETARの気圧情報がQNHセッティング用とは理解していなくて滑走路上の気圧を手作業入力したのだろう、解った人から変わったのか、如何にも起こりそうだ。それにしても999hpというのは中途半端でおかしいのだが相当混乱していたのかもしれない。
些細と思われるようなミスが大きな事故を起こしかねない、自動化に慣れて自動化のバックアップを人が果たしえない、今まではなんとか人が支えてきたが、次第にそれが崩れようとしている、いまここにある危うさをはからずも見せてくれたようだ。

こんな話は航空に限らずどこにでもあるように思う、機械にまかせながらより高度なシステムを構築していく、より高度に複雑なしかけが求められ続けそのうち応じられなくなってどこかでポッキリ折れることになる、避けられないことのように思える。人類は克服しながら前へ前へと進み続けられるだろうか。本当にどこにむかっているのだろうか。

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