連休に粟島へ行こうとして
ゴールデンウイークはどこへ行くにも少々難しい、名のあるところに出向けば人ごみから逃げがたく思えて今年も5月のはじめは日本海に浮かぶ粟島を訪れることにした、鳥見の旅だ。島に渡れば鳥を見るかスケッチをするかぼんやりするかしかない。魚尽くしの日々が送れる。珍しい鳥が出ても出なくてもそんなことは問題にならない。しかし船に乗るまでがちょっとした苦労だ。土曜日の朝10時村上の岩船港から出航する船に間に合わせようとすれば遅くても5時には宇都宮を出なくてはならない。朝五時は丁度夜明けだ、美しい朝日を見ながら、宇都宮インターから高速に乗ると もはやクルマは2車線ともいっぱいの状態だ、驚くばかりだ、ともかく流れてはいるのでそのまま走るが上り坂やパーキングのちょっとした減速箇所ですぐノロノロになる。時折入る交通情報ではやはり磐越道の交差する郡山辺りが長い渋滞になっているようだ。通常の倍の時間かけてやっとの思いで郡山から磐越道に曲がると後は楽に流れる、しかしナビの示す到着予定時刻は10時を少々過ぎている。磐越道は大概が1車線で時折追い越し可能な2車線になる、ここですかさず遅いクルマを抜いて時間をつめるが限度がある。新潟から北上する日本海東北道で高速の終点のはずの中条あたりまでくるがまだ到着予定は10時0分だ、もうダメかと思ったら中条から 先の高速が開通していた、ナビの計算は勿論この間は一般道だ、これは間に合いそうだ、と勇んで先を急ぐ。高速はまさに岩船港のそばまで伸びていた、幸運としか言いようが無い、結局9時40分に港に着く、これなら船に間に合う。幸先がいいとはこのことだ、旅も楽しくなる。
日本の高速道路網はやはりまだ不足のように思えている、高速に乗れば世界の広がり方が違ってくる。一面、確かに失うものもある、近くの日光へは安くなったせいもあって高速を使うようになってきたがたまに下道を走ると はっとすることがある、桜の季節は日光街道の桜のトンネルが楽しい、新しい店ができていたりもする、しかし遠出しようとすると高速の伸びていないエリアへは ためらいが出る,高速の便利さはどうしようもない。宮崎県知事が語気を強めるのは当然だ、人口の一極集中で便利なところに住んでいる人の形成する世論は多数意見でも偏っていることが多い、怪しげな天下りの外郭団体が税金の配分を吸い取っている中で道路整備はまだ無駄でない税金の使い道の一つのように思えている。フラット化する世界の中で国内はフラット化していない、便利なところは加速的に便利になる、人の手でカバーしてやらないと国内ではむしろ格差が拡大していく、世界の国々でも似たようなことが起こっているのかもしれない。 今年の粟島は去年に較べてなんとなく客が増えているような感じがした、高速の伸びたおかげもあるのだろう、便利になって失ったものもある、しかしまだまだ世界の広がりが勝っているように感じている。
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