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2010年5月28日 (金)

今度はインドで航空機事故が

またまた航空機事故だ、今年は事故が続く、ちょっとうんざりしてしまう。今度はインド西岸のMangaloreで737-800がオーバーランして滑走路先の谷に落ちた。気になってネットGsmap_html_image201005220000ind で調べていくと解ってくる。事故発生は現地時間5月22日午前6時30分頃(01:00UTC)で日の出の頃にあたる。気象データは現地時間5:30(00:00UTC)のMETAR/SYNOPデータがあって気温28度、湿度80%、視程4km,2000ftにSc(層積雲)雲量3/8、風なし、と視程は低いがまずまずだ。ただ現地時間8:30(03:00UTC)では視程は2kmに落ち、霧雨が続いており、湿度90%,風は無いが雲量7/8で積乱雲も出てきている、かなり悪化しつつある。事故時刻も霧雨が降り始めていた可能性がある。滑走路は06/24で事故機は240度向きに進入している、滑走路長は2450m、737-800の性能データではwetな滑走路での着陸距離は約1800mで余裕はあまりない。更に、滑走路逸脱に対する余裕(オーバーラン)を国際基準では240m要求しているがこの滑走路には60mしかなくしかもその先は崖になっている、どうやらこのあたりが問題のようだ。また、蛇行する川の河岸段丘の上に滑走路はあってギリギリこの長さを得ており両端は崖になっていて、着陸誘導のILSの進入角度精度も出にくいのではないかとも懸念される。手前の崖を気にすれば高めに進入したくなり無風であれば接地ポイントが先に伸びる可能性は十分ある。インドは急速に航空需要が膨らみ空港インフラ整備を急いでいるがここらあたりに無理が出ているようだ、この滑走路も4年前に従来の1500mの滑走路の南側に増設されたもので国際線に使えるよう目一杯の長さにしたとの印象がある。
いかにもいつかは起こりそうな事故が起こったように見える。中国も急速に航空需要が膨らんでおり同じような状況にあるはずだが大きな事故の報は殆どない、中国では航空運行行政の中心人物が米国の手法を謙虚に学び柔軟に真に安全を追求すべく航空インフラを整えていったという話をどこかで読んだことがある、システムの根っこを個人技でカバーしているようだ。
インドの事故機のパイロットも視程の悪くなる中 難しい滑走路と必死に取り組んでいたのだろうがシステムを粗末にして現場の個人技に頼ってはちょっとしたミスが多くの死をもたらす。
それにしても色々調べているとインドの暮らしがほんのり見えてくる、知らない世界が開けてくる、地球に住んでいる人のつながりを感じていく。航空事故を追いかけるのもなかなかだ。

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