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2010年8月 2日 (月)

オルセー美術館展

暑い日々になかなか終りが来ない。夏らしくていいやと思い込むのにもそろそろ疲れてきた。

別に暑さのためではないが、オルセー美術館から100点以上の作品が来ているというので六本Orsay木の国立新美術館まで出かけてみた、勿論クルマだ、気になる駐車はなんとかそばのコインパークに停める、15分200円とかなり値が張るがしょうがない。
オルセーというからてっきり印象派展だと思って見始めていたらどうも色あせた感じが否めない、生彩がない、なんだか変だと思って展示会のタイトルをよく見るとポスト印象派とある。ポスト印象派とは随分アバウトなくくりだ、とにかく1880年代末から1900年代初頭の欧州絵画と思うほか無さそうだ。点描派に代表される技巧に走っている姿が目に付く、いい絵というより歴史の遺物のような絵が続く、とにかく当時としては新しい手法で画家のアイデンティティを示そうとしている姿勢が前面に出ているようだ、理屈で押している、何のために描いているのだろうか。中で目立つのはロートレックの手法にとらわれない生き生きとした描写だ、理屈をいわずに描きたいものを描きたいように描いている、ロートレックという人はこう捉えるのか、初めて解った気がする、ゴッホもゴーギャンもセザンヌも技巧偏重からの離脱として自身を確立していっているように見えてくる、パリに居ては自分を見失う。どこか写真技術に押されまいとする努力も感じる、何を何のために描くのか、問うている時代そのものを感じる。難しい時代だったんだ。
いい絵を見たいだけだったのが歴史の勉強をさせられた、そんなちょっと複雑な思いでカフェテリアでサンドイッチをパクつく。それにしても随分な混雑だ、それに絵を前にして絵を見ていない人がこんなに多いのは何故なんだろう、今の時代は更に難しい時代になっているのかもしれない。
美術館の外はむっと暑い真夏の大気で満ちていた。秋はまだ随分遠くに居て気配すら感じさせてくれないようだ。

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