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2010年10月11日 (月)

那須の紅葉が

気がつけば紅葉はもう那須の山を見事に染めていた、ほんの2日前の紅葉写真がウエブ上に掲載されている、まだまだ青々としていると思い込んでいた栃木の山の木々にも紅葉が始まって那須ではすでにピークらしい。無性に見たくなった。2日前ならまだ十分に鑑賞に耐えるはずだ。10日は驟雨性の雨が降るはずだった、上空の寒気の下に暖い南風がもぐりこみ不安定な大気の状態になると予想されていた。9日の夜もう一度、とGPVの最新の予測計算結果をダウンロードして那須付近の格子点で切り出してみる、雨は朝のうちだけですぐに上がるという予測結果になっている、気温の上がる午後からはまた怪しいもののこれは望みが出てきたと明朝朝早くから出かけるつもりで準備を始める。とにかく早起きしてどうなるか見定めねばならない、と早めに就寝して10日は3時過ぎから状況把握にかかるが、起きると雨音がする、明るくなってもまだ雨は続いている、みれば南関東は豪雨だ、外れかとおもうが計算は依然回復を予測している、それにネットでよくみると北関東は雨域の終りがみえてきている、暫くすれば上がるのは確実だ、よしとばかり予定よりは相当遅いが飛び起きて勇んで雨の中出かける、本当に止むかいな、と思うほどだが高速に乗るとやたらクルマが多い、のんびりしていると大渋滞になるかもしれない、先を急ぐ。
那須はこの連休交通規制が布かれていて動物王国近くの無料駐車場からバスが出る、近くの那須高原SAの出口から高速を降りるころには雨も上がり山がみNasuky3 えてきた、予定通りだ。パークアンドライド実験としてあちこちに案内標識があって、難なく駐車場にたどりつくと係りの人だらけで一番乗りだ、雨で出足が悪い。申し訳ないくらいがらがらのバスでロープウエー乗り場に向かう。こんな雨が予想されていた日でも団体ツアーは確実にやってくる、ロープエーは東京からの読売ツアーですし詰め状態だった。歩き始めて目指す姥ヶ平を見下ろす牛ヶ首についたのは10時半頃だ、Nasuky1 見下ろす紅葉がすごい、ドウダンツツジの赤い色がよく出ていて綾錦だ。日が時折射してきて陰りと輝きが移ろっていくのも見事だ、こんな光景は殆ど観たことが無い。一休みして姥ヶ平に降りていく。紅葉は近づくほどに圧倒的になる。標高差150mの姥ヶ平に降りついて見上げる茶臼岳と紅葉の取り合わせが素晴らしい、絶景だ。思い切って雨の中を出てきてよかった。
登り返して茶臼岳を巻くようにして峰の茶屋経由で降りていく、朝日岳の紅葉もいいが、やはり姥ヶ平だ。峠の茶屋まで下りてここからバスで元の駐車場に戻る、何の渋滞もないしバスでうつNasuky2 らうつらできる、これは楽で申し訳ないくらいだ。バスを降りると諮ったように大粒の雨が降りかかる、また雨の中出発する、出来すぎだ。
もうこんな紅葉は見られないかもしれない、確かに日本の紅葉は複雑で繊細でそのくせ圧倒的で、こんなのは世界にそうあるものではない、そんなことを思い起こしながら車を走らせる。
雨の予報なんかにめげずぎりぎりまで天気を読んで動く、はずれてもカッパを着て雨を楽しめばいい、雨も表情豊かで好きだ、そんな風に開き直ると世界がまた広がっていく。追いかけていけば絶景にも出会える、それにしても 今、目の前を流れていく全ての情景がいとおしい。

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