イランでまた航空機事故
寒くなってきたところで イランでまた航空機事故だ、前回は2009年7月テヘラン北でツボレフが堕ちて168人が死んでいる、今度はテヘラン北西の街オルミエの空港付近でのイラン航空ボーイング727-200の墜落だ。雪が70cmくらい積もっていたこともありおよそ30名は助かった模様だが77名が命を落とした。それにしても727をまだ使っているのには驚く、それも37年前に中古機として買ったものだという、相当な代物だ。事故がおきたのは1月9日の現地時間午後7時45分頃、GMTでは午後4時15分頃だ、オルミエのMETARで当時の気象を見ると、激しい雪が降り続いており視程が800mとなっている、(オルミエは標高1500m近くある、当時上空の寒気がカスピ海の西に降りてきていた)とても降りられる状態にない。事故機はテヘランからオルミエに向かっていたが降りられないので引き返そうとしてオルミエから5km離れたところで墜落した ということのようだ。イラン当局は早速天候が悪かっ
たための事故とコメントしているが、パイロットからの交信では機器のトラブルを伝えていたというから機体に何か問題が生じていた可能性がある。複合的な事故かもしれない。
イランは国連決議による経済制裁を長く受けており航空機の新規購入や部品の調達が正規にはできない状態が続いている、そのため旅客機の多くがイスラム革命以前の古い機体でこれを闇ルートの部品で整備して飛ばし続けている、事故が多いのは当然だし今回の事故も整備が行き届かない結果である疑いもかなりあるように思える。制裁を国民の命で購う形となっていて、何とかならないものかと思うが、このところのイランの核開発の勢いは収まらずすぐには解消されそうにない。
こんなことが続けば民意は離れていく、イラン政府も新しいエアバスやボーイングの旅客機をサードパーティー経由で調達しようとしていたところでもある。
イランの国民は普通の人が殆どで制裁の被害を直接受けるのは痛々しい。国境を越え宗教を超えて人間としての価値観を共有しそれを共同で護る時代になんとかしていかねばと思う、携帯を利用するとか些細な共通する経験を少しづつでも積み重ねることで前に進んでいくことはできるだろう、そしていつかはたどり着けるのではなかろうか。
寒さはまだ続きそうだ、しかし寒さには終りがある。
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