オオカミノキ
雪の奥日光を歩いていたらこれがオオカメノキの芽です、と影絵のキツネのような小さな木の芽を指差して教えられた。オオカメノキ、もしやオオカミノキではなかろうか、ふとそう 思った、耳を立てたオオカミにも見える、昔はここらに生息していたに違いないニホンオオカミの姿がその後ろ側に見えるようだ。オオカミノキの呼び方が気に入って私的にはこれからそう呼ぶことにしよう、と思った。帰ってネットで試しに調べてみると、オオカメノキ(大亀の木、または大神の木からの転訛) との説明がある、勝手に名付けてみたオオカミノキの呼び方は昔からあったようだ。Wolfのオオカミは勿論大神からきている、カミと名づけられた自然物の呼称はカミナリ(ナルカミ)とオオカミくらいだからカミを体現したものの数少ないひとつだったのだろう、そこに怖さとともに人間の知恵を超えた力を感じていたに違いない。雪に覆われた山の林は格別の世界だ、オオカミの徘徊していた時代そのものをも保存しているように思えてくる。
今朝はまた寒さが戻ったようだが真冬のキリキリとくる寒さではない、寒さの裏側に春がはっきり感じられる季節となった、山の雪も溶け出し、オオカミの幻想が去りまた日常がそこに戻ってくるような気がする。
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