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2011年9月27日 (火)

粟野の彼岸花

彼岸花で有名な巾着田にでも行ってみようかと地図で調べるとこれは遠い、あきらめて近場の粟野の彼岸花を見に行くことにした。以前常楽寺という粟野のお寺の彼岸花は見に行ったことがあるので別のポイントを探しながら走った。粟野では道端のそこここに咲いているのがそれらしくて感じがいいのだがクルマを停めるところが無い。遊の里というあたりに群生地がHiganban あるらしいので尋ねていくと駐車スペースにクルマが20台くらい停まっている。どうやらここらしい。遊歩道が群生地の周りにあって巾着田ほどではないがゆっくりと歩いて見れる。ほぼ満開だ。歩いていると突然女性のコスプレ3人組が写真を撮っているのにでくわす。聞くと東京から来たという。キャリーバッグに衣装を詰めてきたようだ、手馴れた風だ。巾着田は人が多くてとてもダメだと思ってこちらへ来たという、こんな田舎の風景にコスプレが出現するとは面白い時代になった、エッと思うことができるのは若さの特権だ、何だか楽しくなる、心強くなる。
日本もなかなかだ。

ことしは花がいい、随分あちこちで花を眺めた気がする。彼岸も過ぎてそろそろ花の季節も終わりを迎えようとしている、どんな冬になるだろうか。

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2011年9月25日 (日)

渡良瀬遊水地にて

台風15号が駆け抜けてあちこち水浸しになった。宇都宮は台風の目が通りそうだったが僅かに西にずれて目 の中のつかの間の穏やかさは味わえないままに去って行った。これまで自分の頭上に目が通ったことは数回くらいはあったような気がしているがはっきり思い出せない、内陸にくるまで眼がしっかりしている台風もそうは無いような気もしている。何しろ台風の渦巻きのエネルギーは暖かい海から供給され続けなければたちまち弱まる。
台風一過一日置いてもう大丈夫かと渡良瀬遊水地に出かけた。殆ど思い付きだ、何が目当てというわけでもない、動けば何かには行き当たるだろう、動いていたほうが面白い、それくらいの思いだ。一応ネットで遊水地立ち入り禁止のお知らせはないことを確認して出かけたが、湿地資料館に立ち寄ると、声の大きな館の人が水浸しでとても入れない、朝からヘリコプターで繰り返し流していたよという。ちょっと圧倒されてしまうがとにかく様子を見ようと北エントランスまで行ってみる、確かにクルマははいれないようになっている。土手に上がると、水は思ったほどでもない、少なくも道は見えているし人も少しばかり見える、入っても大丈夫だろうかと車止めのしてある道を少し下って恐る恐る写真を撮っていると、こんなところではよく撮れないでしょう、中を歩いてもしかられませんよ、と後ろから声がかかる、振り向けばのんびりとイヌを連れた男性が散歩の風情だ。
従うように 降りていく、道端にまで水は来ているが大したことはない。これは滅多に見ない景色だ、とにかく見る、見ることだけだ。鳥といってもホオジロがたまに飛び出してくる位Wataraseで静かなものだ。他にはオオヨシキリが1声2声、コジュケイが突然現れる、ツバメが少しずつとびかうようになる、カワラヒワが数羽で横切る、トビが2羽ソアリングを始める、それくらいであとはカラスの天下だ。シギが現れるわけでもない。
葦は随分荒れた感じで雑草も多い、今年は地震のせいもあって3月の野焼きをやらずじまいになってしまったという、そのせいだろう、自然の力がひたひたと広がっているようだ。歩いていると時々人に会う、横浜から来たという若い男性に 草原に入れる所はありますか、と聞かれて答えにつまってしまう、解らないことを聞く人もあるものだ、草原とは目の前に広がるこの風景のことだろうか、水浸しは見えている、いつもなら適当に入るところはあるのですがこの有様ではといい加減に応えると解ったように別の方向へ歩いていく。いろんな人がいる。大分歩いたつもりでも広い遊水地ではいくらもいけない、いい加減なところで引き返す。なんとなく生きているとはこんなことだな、と思い始める、茫洋としたところを訳も無く歩いていく、時々不思議な人に出会う、また歩く。悪くない。

台風は台風らしい暴れ方をして秋を残すように去っていった。雲が大分高くなったようだ、山には雪が降り冬がすこしずつ近づき季節はゆるやかに転がる。

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2011年9月16日 (金)

華厳の滝のしぶきにまみれて

暑さが夏を引きずるように漂っている。べたべたとした湿度の高い南の風が海を越えて流れ込んでくる。赤道近くの暖められた海が巨大な大気の循環を作り出し上昇気流が空に昇り、これが日本の直ぐ南で熱い下降流となって降りてきて噴出す。遠い昔から繰り返されてきた大気の営みが時折少々ぶれる、それだけで地上では熱中症でバタバタと人が倒れ不安定な大気が大雨をもたらす。こんなことに振り回されるほどに生きていくことはもろい。

雨が日光の山にもまとまって降って奥日光の湿原を水浸しにしている、華厳の滝も水量が過去最高となっているとのnetの記事がひっかかって奥日光へ向かう。まずは華厳の滝のエレベータに久し振りに乗ることにするが、滝を見るだけで500円はちょっとした額だ。まあ渡るだけの神橋が300円だからそんなものといえばそれまでだが、しょっちゅう訪れる奥日光で滝をみるだけで500円はこんな時でもない限り払う気がしない。エレベータの前には団体の小学生の列がある、かなりの数だ、かわいい子供たちも団体をみると敬遠したくなる。そうはいっても、やり過ごしてばかりもいられない、数が多いし別のグループもまた現れる、適当なところで子供たちと一緒にKegon201109 下に下りる。エレベータの出口のトンネルを出るとしぶきの粒が舞っている、カメラは防滴だがレンズは防水能力はない、きつい。しかし滝の一部が飛んできているようで、気持ちがいい。子供たちはとにかくはしゃいでいる。写真は申し訳程度に写して滝をひたすら浴びる。確かにすごい。
この水も元はといえば太平洋にいついてしまった高気圧がもたらしたものだし更にその元は赤道で上昇した熱い大気だ、巡りめぐっている地球の普通の姿だ、しかしそんなことはどうでもよくて ただ非日常的なしぶきの中を展望台の下や上を行ったり来たり何だか落ち着かない、この落ち着かない感じがなんともいえない。これがいい。

エレベータを上がってびしょぬれのシャツを着替えて、また日常の空気に戻る。これもいい。
Odasiro201109
小田代にも回る、水浸しの静かな小田代がいつもの景色の一部のようになじんで見える。時折ぶれて姿を変えるのが普通の自然なのだろう。

少しばかり長い夏もそろそろ終わりのようだ。

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2011年9月 9日 (金)

リエンジンの話その2

気になっていたリエンジンの話がようやく決着した。ボーイングが結局737の更新は新規開発でなくエンジンのみを更新するリエンジンを選択して騒ぎは収まりつつある。燃料消費の少ない径の大きなエンジンの取り付けは地上とのクリアランスを保つために難しく、前脚を伸ばしてなんとか地上高を稼ごうとしたがやはり機体改修規模へのインパクトは大きくなり、結局737の脚柱の長さは変えられずエンジンのファン径は今のエンジンから5-7インチアップするだけで変わりばえのしない機体となってきている。またしても737の小手先の延命かとの感がある。

25年位前 エアバスがA320をローンチした頃 ボーイングは150席クラスについては日本との共同開発機7J7(日本名YXX)としてall newの機体とする方向で動いていた、しかしA320を意識しすぎてかエンジンをその先を行く革新的なプロップファンとしたことがたたって保守的なエアラインの支持を得られず 開発を取りやめ ざるを得なくなってしまった。150席クラスについてはこのときも結局737の改修型(737-400)に化けてしまった。

しかし7J7に7年間にわたって注がれた日本との研究成果は次の777に色濃く反映される結果となり、7J7プログラムはボーイング、GEを始めとする関係した企業の多くの人を育7j7 て777に代表される次の機体の技術を育んだ上で非常に有益なプログラムとなった(このあたりの雰囲気はBill SweetmanがAir & Space Magazineに書いたThe Short, Happy Life of the Prop-fanと題する長文の記事に詳しい)。7J7/YXXは 勿論日本にとっても777での飛躍の土台をつくり 787へつながっていった真に技術的にも強力なパートナーとなる大きな流れを生み出している、更にYXXからYSXが派生しこれが国産旅客機MRJへつながっていった展開を見ることも出来る。死んでしまったプロジェクトが本当はこの産業を支えているというのも何だか面白い。

737は1967年にシリーズ最初の機体が初飛行して以来45年にも及ぶがまだ基本型は変えずに使い続けることになる、何だか情けない気がする。しかし大きく変えようとしても結局は保守的なエアラインが変えさせてくれないようだ、売れすぎているのが大きな変化を阻害している一つの要因のようにも思える。こんな時はあらぬ方向から新規参入者が現れ市場の寡占が崩れていきそうなものだが、ボーイング、エアバスというプレーヤーが強すぎて、そんなことはなかなか起きそうに無い。中国とロシアがそれぞれ150席クラスの旅客機を開発中だが、前段の90席クラスのリージョナルジェットにてこずっているようで、ボーイングやエアバスに伍する機体ができるかかなり疑わしい状態だ。もしかしたら日本にチャンスが巡って来つつあるのかも知れない。
どうなっていくだろうか、やはりボーイングの次のall-newが気になる。リエンジンでお茶を濁したような150席クラスを今度は本腰を入れて取り組むことになるだろうか。また7J7でのアイディアを 埃を払って使うのだろうか、考えていても何だか影が薄くなっていくボーイングのイメージばかりが浮かぶ、時代はともかく変わりつつあるようだ。

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2011年9月 4日 (日)

池の平湿原

夏も次第にその勢いが弱くなって、日が短くなった。いつものように季節は移ろっていく。
この夏は 能登へ行こうと宿まで押さえていたが、暑すぎる日々に恐れをなしてキャンセルしてしまった。平地では暑いし南風では北陸にはフェーン現象の出やすい形となる。やはり夏は軽井沢だ。
Ikendaira3 軽井沢に避暑に出かけたついでにどこか涼しいところは近くにないかと探してみると池の平が2000mで涼しいとnetで出てくる、池の平とは聞いたような名だがまだ行ったことは無い、どうせ軽井沢のそばで観光化されているのだろうとたかをくくっていたら、訪れてみると高山のお花畑が続く素晴らしくも見ごたえのある場所だった。花の密度はどうみても礼文島より濃い。マツムシソウの群落やヤナギランの彩り、高山蝶ベニヒカゲ、色合いに深みのあるるノアザミ、ウスユキソウの群落、オノエイタドリ、コマクサ、あげ切れない。とりわIkendir2 け赤や黄色や白の花が入り乱れるように咲いている様が美しい、これが遊歩道に沿って途切れることなくずっと続く、こんなに花の豊富なところは見たことがない。標高2000mでおよそ20℃と、涼しさはいうまでもない。人は多いが溢れるほどではない、適当にばらばらと歩いていく。ゴミもなくよく維持されている。これは随分な当たりだ。英語圏の白人の一団も歩いていく、ガイド役の外人は流暢な日本語でこちらにも花の説明をしてくる、かなりここに精通しているようだ、このくらい見事な高山植物群は世界的にも珍しいのではないかと思ってしまう。ここに限らず日本は簡単Iknodira1 にアクセスできるところに素晴らしい自然が広がっている、鳥も花も木も蝶も種類が多い。次第に世界の多くの人を惹きつけるようになるのではないか。
それにしても 国内も大分回ったつもりになっていたが こんなところにはじめて来て驚く、本当に思う、何にも分かっていないのだと。

すべてを受け入れ 流れいく時を眺め続ける、生きていることはあきるということがない。

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