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2012年3月18日 (日)

新しいインターを降りてみる

最近日光自動車道の新しいインターチェンジ土沢(どざわ)を使って日光と往復することが多くなった。初めのうちは何でこんなところにわざわざインターがとやり過ごしていたがある時ふと気になって日光からの帰り道土沢で降りてみた。見慣れぬ道が日光街道と離れるように南に向かう。走りやすい道だ。暫く走ると板橋という町で例幣使街道の途中に入る、一旦例幣使街道の杉並木が途切れるところにあたる。古い道に特有のクランク状に街道が曲がる部分に接続して道はこの先から杉並木となって鹿沼へ向かう、要するに鹿沼から日光道を使いやすくしたインターが土沢ということになる。納得して、途中の文挟で東へ折れて宇都宮へ向かう道に入る。大谷街道となっていくこの道も走っていて気持ちのいい道だ。古賀志山の麓を走り季節にはりんごもあって花が美しい。走ってみてこのルートで何といっても実用的なのは高速の料金が日光からなら100円で済むという割安感だ、フルに高速を使うのと10分と変わらないし道もきれいだ。しばしば日光に通っても負担にならない。Tekagami2

週末、日光彫の作品がまた一つ塗りあがって戻ってきた、今度は手鏡だ、図柄は東照宮であちこちに現れるぼたんだ、定番というべきでいかにも日光彫というところが好ましくもある。
 日光からの帰りに例によって土沢で降りて気持ちよく走っているとラジオからピンクフロイドが好きでしたとのトークが流れてきて、ピンクフロイドを巡る記憶がぱあーっと蘇ってきた。好みに合っていた、レコードも何枚か持っていたし一時は発売されると必ず買うことにしていた、最後はCDだったけれども。初めてピンクフロイドの名に出会ったのはアントニオーニ監督の映画「砂丘」(Zabriskie Point)を見ていた時だった、映画の方は製作者の試みが何か空回りしているようで今ひとつだったが挿入されている音楽が良かった、中でも何度もテロップで示されたピンクフロイドの名とリズムを踏んだ現代音楽のようなロックの響きが印象に残っOsekkai た、こんな音楽の時代になったのだと感じた、感覚に響くものがあった。最初に買ったのは確か会社に入って初めてのボーナスでオーディオセットをそろえた時に合わせて買ってきた「おせっかい」というアルバムだった。新しいアルバムが発表されるたびに買ってきて寮の部屋で劈くような大音量で鳴らしていた。このところ聞いていない。というよりうるさがる家人がいない時にたまにレコードを鳴らしている、CDのハイカットされた響きを抜けた切れ味があってゴミやキズのノイズがあってもレコードのほうがいい音がする。今日この頃はピンクフロイドさすがにもう活動していないようだ、「ウオール」のあたりからなんだかズレを感じていて、自分にとっての新しい魅力は失っていたのだが。
レコードの中にだけ存在し続けるピンクフロイド、針を落とせば忘れた感覚を取り戻す、形のない存在、やはりいい、安心感も漂ってくる。

安心感のある ものや響きに浸るのが心地よくなって、ああいけないと時々思う。前へと思う。新しいインターを降りてみる、そんなことがまだまだこの先必要なような気がしている、そうでもしなければ生きることにあきあきてしまうだろう、そこに待ち受けているものがいつかは見た風景であったとしても。

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